2006年には、中国銀行、中国工商銀行が前後して国内A株市場に上場し、この2つの株式指数構成銘柄の動きが株式市場で注目を集めていると同時に、商業銀行の株式制改革の成果をアピールすることともなっている。
ここ数年、中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行に代表される国有独資商業銀行の株式制改革が注目の的となっており、3行の相次いでの株式会社制改造の完了と香港・内陸部株式市場への上場は、中国の金融改革の歴史にすばらしい一ページを添えることとなっている。中国農業銀行も現在、内部の改革に積極的に取り組み、株式会社への制移の準備に力を入れている。2007年は、四大国有商業銀行の新しい出発点となり、商業銀行の改革は新たな階に入ろうとしている。
経済学者の胡祖六氏は、現在、中国銀行業大手の中国建設銀行、中国銀行および中国工商銀行などの財務状況や収益状況はこれまでで最も望ましいものとなり、業務経営能力の面でこれまでのいかなる時期に比べても最も国際競争力をつけているものである、と商業銀行の改革を高く評価している。
中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行の株式制改革試行銀行3行では、現在、株主総会、董事会(取締役会)、監事会(監査会)と管理層の間で、職務遂行、効果的な相互けん制、協調による運営の構図とメカニズムが徐々に形成られている。3行の銀行本部における改革は基本的に完了しており、機構、人員、機能の調整はおおむね所定の目標を達成している。これを基礎に、3行は所属支店・機関に改革の深化に関する案を通達し、所属支店・機関において組織構造の改革および業務管理の流れの健全化を行い、絶えず改革の重点を末端へと広めている。
3行はまた、戦略投資家の導入を契機として、絶えず新しい業務分野を開拓し、金融革新を強化し、金融サービスの質的向上にテコ入れをしている。中国工商銀行と中国建設銀行は基金管理会社設置のテスト行となっており、管理部門の要求に基づき、世界の著名な機構と共同で合弁基金管理会社を設立し、ファンド商品の発売に成功している。
制度改革の完了いらい、3行はイメージを一新し、自己資本率、資産の質および収益力などの財務指標は制度改革前に比べて著しい改善が見られ、財務状況は根本的に好転している。2006年6月末現在、中国銀行、中国建設銀行と中国工商銀行の自己資本率はそれぞれ12.4%、13.15%、10.74%で、いずれも国際基準をクリアしており、不良債権比率もそれぞれ4.19%、3.51%、4.1%で、制度改革前より大幅に縮小し、2006年上半期における3行の税引き前利益はそれぞれ40.13億元、328.14億元、385.85億元で、前年同期比それぞれ14.99%、3.4%、9.13%増となった。