国有商業銀行の株式制改革の成功の経験に言及した際、胡祖六氏は次のように語った。
中国のWTO加盟後の銀行業改革における目覚しい成果は、中国の思い切った構造改革が背景にある。これは内的要因であると同時に、銀行業が著しい変化を遂げるためのよりどころでもある。しかし、いかなる客観的なアナリストも、中国の銀行業改革は決して内向きの主観的なものだけではないと認識している。中国の銀行業改革はWTO加盟後のさらなる開放および開放によってもたらされた改革のプレッシャー、国際金融機関の経験・知識・資本のおかげでもある。
「百里を行くものは、九十を半ばとす」と言われるように、上場は銀行改革の最終目標ではなく、商業銀行の株式制改革には長期性、複雑さと困難さがともない、目下の成果はなお初歩的なものに過ぎない。
中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行3行が上場を果たした後、引き続き経営メカニズムの転換、規範的なコーポレートガバナンスの整備に力を入れており、徐々に国際競争力のある近代的商業銀行に育て上げることはなおこれらの銀行の課題である。一方で、中国農業銀行はどのようにして株式制改革を進めるのかが2007年の商業銀行改革の注目すべきところである。
世界の先進的な銀行と比較して、国有商業銀行は会社構造、経営メカニズムと成長パターン、リスク抑制メカニズムなどの面で依然として大きな開きがある。これと同時に、中国のWTO加盟後の移行期がすでに終わり、金融業がいっそう開放的なものとなり、国有商業銀行はさらに厳しい市場競争に直面することになっている。
マクロの面から見ると、中国は社会主義市場経済体制を健全化させるという重要な段階にあり、国民経済や産業構造が絶えず調整され、国有企業も軌道修正や制度改革に取り組んでおり、市場経済に相応しい金融法規の整備を必要としている。これらの要素はいずれも改革試行銀行の資産の質と財務状況、今後における国有商業銀行の改革と発展に影響を及ぼすものとなろう。
国有商業銀行は今後、引き続き思い切った経営メカニズム転換に努め、内部における相互けん制を強化し、金融リスクの抑制に力を入れ、、不良資産の増加と経営利益の低下に注意を払い、責任追及制度を全面的に実施し、規則違反・業務上過失関連事項を厳しく調査し、経営の健全化を図る必要がある。同時に、国は商業銀行の税収制度の調整、預金保険制度の整備、社会信用システム構築の加速などを含めた改革関連措置の実施を促し、金融改革をいっそう推し進め、国が持株の銀行の良好なイメージを確立させるべきである。
「チャイナネット」2007年1月19日