先般、イギリスのICECAP社は、向こう5年間に、広州市興豊ゴミ埋め立て場の500万トンの二酸化炭素排出権を合わせて5000万ドルの価格で買い取ることで、広州恵景環境保護技術会社と取決めに調印した。これは広東省の最も大口の温室ガス排出権取引ケースとなるもの。
排出権取引とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素など環境汚染物質の排出許容量をひとつの国または世界全体について設定し、削減目標を国内で達成できない国や企業が、達成した国や企業から排出権を買い取る取引のこと。環境汚染物質の排出可能な割り当てを超えることになった国や企業が、排出枠に余裕のある国や企業から排出権を買い取って穴埋めする。これは省エネルギーに対する投資よりも安いコストで削減目標を達成できる仕組みだといわれている。
『京都議定書』に基づいて、2012年までに、先進諸国は6種類の温室ガス排出量を1990年より5.2%減らさなければならず、この基準を超えるなら、先進諸国はペナルティーを受けることになる。これに対して、発展途上国は一時期排出量減少の義務を担う必要がない。したがって、先進諸国は発展途上国との協力を強化すれば、発展途上国の温室ガス排出量を減らすと同時に、同等量のガス排出権を獲得することも可能となる。
昨年、世界の排出権取引額は280億ドルに達した。しかし、国内における取引のコストがかなり高いので、先進諸国は「グリーン開発メカニズム」(CDM)の実施によって、発展途上国から、排出権を買い取ることに努めている。
現在、中国は先進諸国の最もよい選択対象となっている。「向こう数年間に、中国は排出権取引の主な市場になると見られている」、とICECAP社の業務発展部門の責任者は語った。同社が中国に進出したばかりの2005年には、中国にはわずか5つのCDMプロジェクトしかなかったが、今年1月までのところ、そのプロジェクトの数は297に達することになった。2012年までに、中国は8.35億トンの二酸化炭素排出量を減らし、これは世界における排出量減少の48%を占めると見られている。
「チャイナネット」2007年2月12日