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マイカー時代の中国人像

生活空間の拡大

ある時、張宇さんは父親を連れて車で郊外に遊びに行った。春は田野に咲き乱れる花を眺め、夏は泉で涼み、秋は紅葉を楽しむ……。張五常さんは本当に幸せだと感じた。彼の生活も家から郊外へと広がっていった。

観光がマイカー族のレジャーだ。週末には車で郊外に行き、大自然の中でリラックスしようとする人が多い。メーデーや国慶節(建国記念日)のゴールデンウイークには各地に観光に出る人もいるため、マイカー観光専門のサービスを提供する旅行社もあるほどだ。

北京大学社会学部の劉能副教授は「マイカーの出現で観光の機会が増えた。地元や郊外のほか、他省への観光も流行の傾向にある」と指摘する。

張宇さんは「観光だけでなく、車を購入したことで、祭日に実家に戻る際、汽車の切符を並んで買う煩わしさがなくなった。また、距離が遠いかどうかを考えることなく、辺ぴな農村部で美食を味わうこともできるようになった。車のおかげで空間上の自由がもたらされ、数々の楽しさや幸せももたらされた」と話す。

車が支えるメンツ

劉鵬鵬さんは仕事をしてまだ5年にもならないが、すでにマイカーを所有している。「最初、自分の車を運転して街をドライブしている人が羨ましく、自分も持ちたいと夢見ていた」。そこで04年6月、約3万元で乗用車「奇端QQ」を購入。中国で価格が最も安い車種で、彼の経済的条件からすれば、この価格の車しか買えない。

母親は車の購入に不満だった。母親にすれば、その必要性はなく、家のすぐ前に公共バスの停留所があり、出勤も退勤も便利だからだ。「人が車を持っているのを見て、自分も持ちたいと思うのは、自分の経済力を見ていないからで、メンツのためだ。同級生にひけらかしたいのだろう」と彼を叱責した。

購入後、車を持たない同僚が付きまとい、旅行に行ったり、ドライブしたり、荷物を運ぶのを手伝ったりと、メンツを保つことはできた。だが数カ月後、ガソリン代が当初の月400元から7、800元と、月給の4分の1にまで増えてしまった。彼には消化できない額だ。

張宇さんもメンツについては深い体験がある。彼にとっては今の社会、どんな車を所有しても、それは生活状態を示すもので、一種の社会的地位、ステータスのシンボルであり、一種の社会経済階層を区分するものなのだ。どんな洋服を着ていても、それが誰にとってもほとんど重要でないように、他人がその人の車をただ認めるのは、サンタナが普通の大衆車で、キャデラックがデラックス車であるのと同様、区分は非常に鮮明だ」と指摘する。

この数年、輸入車の販売台数も増加し続けている。一部のデラックス車は中国市場で非常に人気だ。公安部交通管理局のデータによると、今年6月現在の輸入車保有台数は189万6241台と、06年末に比べ4.14%、7万5730台増加した。

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