市場変動による保険会社への影響
中国人民銀行(中央銀行)がまとめた「2007年中国金融安定報告」によると、保険会社の財務状況は全体的に良好だが、一部の保険会社は自己資本の強化が望まれる。また、保険契約の受け入れ能力も資本金不足による制約を受けている。
同報告は、保険会社の投資収益は金融市場と密接に関連しており、金融市場の変動が保険会社の財務健全性に与える影響に注意する必要がある。近年、保険会社の運用ポートフォリオにおける銀行預金の割合は低下を続け、債券投資が増えている。2006年末時点で、債券投資の比率は53.14%に達した。株式投資比率も05年の1.12%から5.22%に高まった。金融市場の変動が保険会社の投資利回りと収益状況に与える影響はますます大きくなっている。
同報告はまた、保険業に関わる資金の管理レベルの向上が必要と指摘している。資本市場は未成熟で、中長期の金融投資ツールは限られており、保険業資金の管理モデルの効率とリスク管理能力が低い。資金の運用効率を高めるには多くのボトルネックを抱えている。このため、保険業資金の運用方法を開拓し、保険会社が銀行の株式を獲得するするのを奨励すると同時に、専門化、市場化、規範化された保険業資金管理システムの構築を急ぐ必要がある。それにより、資金運用方式とリスク管理技術を改善し、リスクの識別、分析、計算能力を高める。同時に、資金運用の委託制度を模索し、投資運用行為を規範化するとともに、監督管理情報システムを構築し、資金運用リスク防止を強化するための外的拘束力を強めるべきだ。
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