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マイホームの夢を追い続けて
発信時間: 2007-11-30 | チャイナネット

不人気な賃貸派

高騰する住宅価格を前に、多くの学者、政府関係者らは「マイホーム購入に振り回されるな、賃貸にしたら」と言う。建設部の斉驥副部長は、当面の住宅問題は賃貸によって解決すべきだとし、「住宅問題はあらゆる国が抱える問題。すべての国民が持ち家資産を有するという形で問題解決をはかる国など世界中どこにもない」と話す。

しかし、こうした「買うより借りろ」式の論議は受け入れられていない。大手ポータルサイト「新浪網」の最新調査によると、アンケートに答えた8729名のうち87%の人が、「一生借家住まいはイヤ」と答えている。

孫さんは、中国の賃貸状況と米国のそれとを一律に論じることはできない、という。中国では、成熟した賃貸住宅市場がないばかりか、「家」というものが居住空間以外の意味を持ち、戸籍登記や子供の教育環境としての付加価値を持つ。まして、賃貸料もますます上がっている今、持ち家を購入しなければ“賃貸の奴隷”となってしまう、と嘆く。

北京市華遠グループ総裁の任志強氏も長い目で見れば中国には賃貸住宅はふさわしくないと考える。彼は「現在、ある程度の広さがあり安定して供給できる賃貸住宅は都市部ではわずか2%にすぎない。ほとんどの賃貸住宅が個人の資産で、その賃貸料や賃貸期限は非常に不安定。制度として依存できる対象ではない。海外では、多くの国が賃貸住宅について金融面で何らかの優遇策を提供し、市場として成り立つような条件を整えており、安定して長期的に賃貸住宅を提供できる状況にある」と語る。

北京では、孫さんのように他省・自治区からやってきて就業、生活する人口が約500万人だ。5年間の借家住まいを経験してきた孫さんは「借家住まいは常に大家さんの顔色をうかがい、自分の好みに合わせた模様替えもできず、いつでも引っ越せるように準備しておかなくてはならない。住む場所があっても、マイホームという感覚はない」と言う。

「ひきしめ政策」にもめげず

住宅価格の高騰に対し、政府は積極的にさまざまな措置を講じてきた。温家宝総理は、第10期全人代第4回会議における政府活動報告の中で、一部の都市における過剰な不動産投資と住宅価格高騰の問題を引き続き解決していくことを強調した。

実際に04年から国は不動産市場に対するマクロコントロールを始めた。中央政府は、9つの部・委員会、各地方政府に働きかけ、徴税、土地、金融、行政の4つの側面から住宅価格に対するマクロコントロールを進めた。とりわけ06年以降は、過熱する不動産市場に的をしぼって重点的にマクロ調整措置を講じ、人々は政府の“鉄腕”が住宅価格の天井知らずの歩みを止めてくれることを期待した。

 社会科学院金融研究所研究員の易憲容博士は、国内の不動産市場の発展状況から見て、ここ数年の不動産投資の過熱や住宅価格高騰の最大の原因は、低金利で借りやすい銀行ローンにあったと見ている。

同博士は「国内の金利が低いため、銀行でローンを組めさえすれば、手軽に利益が得られるという状況の中、当然の成り行きとして個人も企業もあの手この手で銀行から資金を調達し不動産市場に投入している」と語る。

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