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中国、もう資本大国なのか?
発信時間: 2007-12-04 | チャイナネット

資本大国への道はまだ先

中国はいまだ発展途上国であり、真の資本大国になるにはまだ時間が必要だ。

中国共産党中央党校学習時報社の編集・審査責任者の鄧聿文氏は、資本市場には融資、価格発見、資源配分の3つの機能があり、現在の中国の資本市場はこれらの機能をある程度は回復しているものの、その機能がまだまだ十分に発揮されていないことから「資本大国」とはまだ言えないと語る。

主に中国の改革と社会の転換および経済などの研究に従事してきた鄧氏によると、06年以降、大陸部市場の調達資金の累計は5200億元でそれまでの5年間の累計を1200億元上回った。特に各業種のけん引企業、中央政府直轄の大型国有企業が相次いで大陸部市場に上場し、これに呼応して企業の直接資金調達比率が伸びた。しかし、銀行ローンなどの間接資金調達と比べると、株式市場で調達したこれらの資金はわずかなものでしかない。

中央銀行(中国人民銀行)上海本部の統計によると、上海企業の06年融資総額の中で株式による資金調達は8.4%、債券による資金調達は13.9%で、企業の資金調達の大部分は依然として既存の銀行ローン方式に頼っている。

中国資本市場の最大の試練は、現在、中国の株式市場がすでにハイリスク領域に入り、常にブルーチップが市場をリードしており、金融、不動産、鉄鋼から石炭、航空、非鉄金属まで主だったブルーチップ群がかわるがわる高値を牽引し株価指数の連続上昇のけん引役となっていることだ。たとえば、中国遠洋(チャイナコスコ)の10月から11月にかけての上げ幅は160%を超えたし、中国鋁業(チャルコ)の8月の上げ幅は100%に達した。さらに中国船舶は上海・深セン市場で株価が300元を超えた最初の企業となり、その株価収益率(PER)は300倍に達した。鄧氏は、この期に及んでブルーチップバブルを認めないと言うなら、それは自らをも欺くことになると言う。

鄧氏は「10月12日現在、昨年の年報に掲載された上場企業の業績を基準とした場合、上海・深セン取引所に上場するA株のPERは87.75倍に達した。日本や台湾の市場でバブル絶頂期のPERがいずれも60-70倍の水準であったことを思えば、この数字は、中国の株式市場の見込水準がすでに1980年代のバブル期の日本や韓国、タイなどの市場の予想水準に達したことを示しており、こうしたリスクがいったん集中的に解き放たれれば、その破壊性は抑えきれないだろう。

株式市場バブルの問題の処理を誤ると、中国の資本市場ないし中国の経済発展にとって最大の打撃となろう。したがって、中国は資本大国への道を歩む過程で、体制およびメカニズムの欠陥を必ず克服せねばならない。

「北京週報日本語版」より2007年12月3日

 

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