一部の産業アナリストは、今年に入って以来の人民元の値上がりによる経営圧力は衣料品や玩具、靴製造といった業界だけでなく、電力設備や家具、電子といった業界も厳しい試練に直面していると分析している。転換するのか、あるいは放棄するのか、為替レートのリスクをどのように回避するかがこうした業界の前に立ちはだかる難題になっている。
商務部の陳徳感銘部長は2008年初めの業務報告で「輸出入構造をグレードアップし輸出政策の基本的な安定を維持し、国内消費の拡大を重視する」ことが今年の商務部の業務重点だと述べた。こうした発展方向は多くの企業が採用している新たな経営戦略でもある。
国内の多くの対外型製造企業は一貫して、産業のグレードアップという方向性が実際には短期間内に実現することは難しいことを理解しており、長期的に見れば製品や産業の戦略面での転換は避けて通れないものの、短期的には転換を実現できずにいる。こうした背景の下で、多くの企業は国内市場を頼みの綱にしている。
統計データによると、中国の消費品市場はここ数年の急速な成長を基盤として2007年には一層大きく成長して、10年来の史上最高を更新している。最近の人民元の急速な値上がりを受けて輸出の競争は激化し、利益が縮小を続けているのにともない、浙江省の義鳥や江蘇省蘇州などの長江デルタ地区の小型家電や厨房設備、電子といった業界の輸出工場数百社が次々と国内市場へと目を向けて国内取引を開始しており、沿海地区はこうした企業の新たな利益成長ポイントとして発展しつつある。
「人民網日本語版」2008年4月2日
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