備蓄にゆとり
――世界の食糧の需給不足を背景として、中国の食糧需給はどのような状況にあるか。
中国では食糧が4年連続の豊作で、現在、食糧の需給は全体として基本的なバランスが取れている。食糧の備蓄にはゆとりがあり、国内市場での供給と市場価格の基本的な安定を保障することができる。
人口の増加や都市化・工業化の発展に伴い、中国の食糧消費ニーズは全体として緩やかに増加しているが、一人当たりの消費量はやや減少し、食糧消費全体に占める食用消費の割合も低下している。現在、国内の食糧消費量は約5億1千万トンで、生産量と需要とが基本的なバランスを保っている。大豆は不足分を輸入で補っているが、三大食糧である小麦、イネ、トーモロコシは消費量が4億2500万トン~4億3500万トンで、生産量と需要のバランスが取れており、ゆとりもある。
中国は相当規模の食糧備蓄を備えている。ここ数年続けて食糧生産が豊作だったため、備蓄も一層充実した。省・自治区・直轄市のトップに対する食糧確保の責任制度を実施したことから、地方レベルで食糧備蓄が行われるようになり、その品目構成は合理的で、穀物や食用油の備蓄が増やされ、管理レベルもさらに向上している。現在、中国の食糧備蓄の対消費率は国際的な安全ラインの17~18%を上回っている。
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