公式なデータはまだ出ていないが、関係者によると、中国の外貨準備は4月末時点で1兆7600億ドルに増加し、世界の主要7大工業国(米国、日本、英国、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア)の外貨準備の総和を超えた。こうした現象からホットマネーの中国流入が加速していることがわかるが、株式市場や不動産市場が順調でない現在、ホットマネーは一体何を目指して流入しているのだろうか。「国際金融報」が伝えた。
上海市のある外資系銀行で働いて三年目になる米国人のルカさんによると、この3年間、彼は毎年中国でさまざまな方面に投資し、いずれも成果を上げた。2006年は不動産市場に投資し、07年は株式市場に投資し、今年第1四半期(1~3月)は人民元に目標を定めた。人民元の対米ドルレートの持続的上昇は非常に魅力的で、4月に上昇率が鈍化したとはいえ、まだ人民元をドルに両替するには惜しい時期だ。
ルカさんは普通の個人投資家だが、彼の話は外資系ホットマネーが現在、人民元を手放したがらない心理をある程度代弁している。メリルリンチア・アジア太平洋部門の陸挺アナリストによると、短期的にみて人民元は加速的上昇を続ける見込みで、07年年初に比べて約10%上昇した現在の上昇ぶりが人民元の利益率を雪だるま式に膨れあがらせており、こうしたことから海外投資家の人民元への思い入れを理解することができる。
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