管理レベルで注意が払われているにもかかわらず、こうしたホットマネーはどのようにして中国に流入したのだろうか。前出の陸アナリストは「人民元の対米ドルレートがしばしば過去最高を記録する一方で、香港ドルの対人民元レートは低下を続けている。このため少なからぬ外資が香港から大陸部に流入し、急騰する人民元に目標を定めている」と説明する。
香港金融管理局が5月30日に発表したデータによると、4月の香港の金融機関の人民元建て各種預金残高は前年同月比33%増加して、766億元に達した。増加率は香港ドル建て預金の0.3%を大幅に上回り、外貨建て預金全体の増加率0.2%をも大きく上回った。大量の香港マネーが大陸部に流入したことがわかる。
香港のある外資系企業に勤める呂さんは「香港ドルの対人民元レートが低下を続けているので、今、香港では人民元人気が高まっている。周囲の人々も人民元での両替や送金というルートを利用し始めている」と話す。
ドイツ銀行がこのほど発表したある調査結果によると、あらゆる個人ホットマネーの流入ルートのうち、人民元での両替・送金ルートを利用したことがあるという人が回答者の20%に上った。香港の銀行では一日当たりの電子振り込み限度額が8万元とされ、香港に住む回答者のうち34%がこのルートを利用したことがあると答えた。
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