現在の中国の多量の外貨準備をホットマネーの資本市場流入と置き換えることはできないが、外貨資産の蓄積による問題点について、瑞銀集団中国部門のチーフアナリストは次のように話す。外貨資産は実際には中国経済の流動性を生じさせる最重要の要因となっている。中国には外貨資産が絶えず流入し、人民元は人民元発行をリスクヘッジするため、中央銀行手形を発行したり、預金準備率を引き上げたりするなどの措置を取っている。中国経済は流動性が高く、高い流動性が現在のインフレを引き起こしたとは考えられないが、今後はインフレをさらに推し進め、インフレ継続のリスクを高める要因になることが懸念される。
外貨準備の蓄積をどのように減らしたらよいか。バンク・オブ・アメリカ中国エリア経済研究・戦略策定担当の汪濤主管は、貿易黒字を減らし、資本項目の黒字を減らすことと指摘する。これには構造調整や今後の人民元上昇観測の抑制などを行うことも含まれる。前出の陸アナリストは「外貨準備が急速に増加すると、中央銀行は大量の外貨を人民元に両替する処理作業のために膨大な時間を取られることになる。最近の実際の操作プロセスをみると、公開の市場操作と中央銀行手形の発行が一定の役割を果たしているといえる」と話す。
「人民網日本語版」2008年6月6日
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