大量流出入の防止を
ベトナムで5月に金融波乱が発生する前夜、中国へのホットマネーの流入もやや加速していたことが数字からわかる。今年4月に中国の外貨準備高は744億6000万ドルと、単月で過去最大の伸び幅を示した。だが、多くの研究者がより懸念しているのは、中国からのホットマネーの流出だ。
左小蕾氏は「米ドルが落ち着き、米国など成熟した市場が安定へ向かった後、中国はホットマネーの流出を絶対に防がなければならない。だから現在、ホットマネーの大量流入と大量流出への『2つの堤防』が必要だ」と指摘する。
ホットマネーにとってベトナムと中国は決して「AでなければB」の選択肢ではない。ベトナムの「悪い見本」に、アジア新興市場全体をホットマネーが回避するようになるかも知れない。以前大陸部には、ベトナムから中国に大量のホットマネーが流入すれば、A株市場が押し上げられるのではと期待する声があった。だが、中国国際金融公司の今週の「マクロ経済週報」は、ベトナムからのホットマネーの流出が、中国の金融市場にマイナスの影響を与える可能性を指摘。「一部の国で金融危機が発生しただけで、新興市場全体のリスクも高まる。海外の慎重な投資家は新興市場からの撤退を選択するだろう」としている。
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