大量流入が金融施策を制約
ホットマネーが中国から大量流出する兆しはまだないが、流入を続けるホットマネーはすでに中国の金融政策を著しく制約している。中国銀行国際金融市場部の袁躍東氏は「インフレを根本から抑制するため、中国は適切な時期に利上げを行う必要がある。ベトナムの金融波乱で、政府が物価上昇への警戒を怠ったことは、その深い教訓の1つだ」と指摘する。
だが昨年末以来、中国人民銀行は利上げをしていない。預金準備率は5回引き上げ、17.5%の過去最高水準に達した。中金公司は「ホットマネーのたゆまぬ流入への中央銀行の懸念が、利上げへの一定の制約となり、このため預金準備率をさらに使って流動性管理を達成しなければならなくなっている。人民元の利率はすでに米ドルを上回っている。人民元を利上げすれば、ホットマネーを引きつける力はさらに高まるだろう」と指摘する。
預金準備率が過去最高を記録しても、いつ「ピークに達する」かはホットマネーの状況を見なければわからない。交通銀行傘下の交銀国際持株公司が今週発表した研究報告は、預金準備率の上限は外貨準備高の伸び幅次第だとしている。過度の外貨流入は、たとえ預金準備率が高水準にあっても、マネーサプライと貸付の伸びを押し上げ、もはや緊縮とは呼べぬ状況を招く。交銀国際は今年の外貨準備高の伸びを50%とすると、預金準備率の上限は22%になると推定している。
「人民網日本語版」2008年6月13日
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