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世界的食糧価格急騰、中国への影響は小
発信時間: 2008-06-20 | チャイナネット

国内で消費される食糧は国内生産でほぼ充足

中国は高い食糧自給率を有するため、食糧価格に急激な上昇は見られない。

国家発展改革委員会によると、2007年食糧生産量は5億トン以上となり、国内食糧消費量は5億1千万トンと、基本的に国内自給でまかなえている。

国家食糧局の曽麗瑛・副局長はこのほど、「中国の食糧生産量は連続4年の増産を達成しており、今年はさらに増加が見込まれている」と述べている。食糧が数年連続で増産することから、この数年の国家食糧備蓄率は高いレベルを保ち、食糧消費の17~18%(14%は警戒線)の国際的な安全ラインを上回っている。当年、購入した食糧がなくても、国有の食糧企業が備蓄している食糧で1年以上の消費が充分にまかなえる。

食糧システムの関係者は「中国は世界最大のコメ生産地であり消費地である。その自給率のバランスが取られているため、コメ価格は相対的に安定しており、コントロールも比較的たやすい」と述べている。

また、国家は一連の食糧をエネルギーに転換する開発プロジェクトを停止させ、食糧安全を保障している。業界内の関係者によると、この度の世界規模の「食糧危機」の一因は、「エネルギー危機」であるといえよう。先進国はこぞってエチルアルコール(サトウキビやトウモロコシなど植物を使って作られるエタノール)の確保に追われており、自動車が食糧を燃やす時代が到来し、食糧備蓄が減ったことが、大きな原因である。中国政府はその特殊な国情から、国家の食糧安全の保障を目的に、食糧をエネルギーに転換する開発プロジェクトの停止に踏み切った。国家発展改革委員会、財政部は引き続き、食糧をエネルギーに転換する開発プロジェクトの停止を通知し、バイオマスエネルギー・エチルアルコールの審査認可制度を実行する。また、国家のエチルアルコール計画において、「非・食糧」を用いることを更に明確にしていく。

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