「新京報」にこのほど、国務院発展研究センター金融研究所の巴曙松副所長による中国のインフレ情勢に関する論考が掲載された。主な内容は次の通り。
年初以来、高まり続けるインフレ圧力が日に日にマクロ政策の厳しい課題になっている。
通貨供給の面からみると、最近は外貨準備が急速に増加しており、特に海外直接投資(FDI)以外の投資と貿易黒字の伸びが大きく、ここから比較的大きな基軸通貨の投入圧力がもたらされ、5月には広義マネーサプライ(M2)の増加率が引き続き高い水準を保った。これは需要からくるインフレ圧力が依然として強いことを示している。
コスト要因からみると、石油や鉄鉱石などのエネルギー原材料価格の統制が困難になり、川上のコスト上昇によるインフレが今後も継続する見込みだ。各種の要因を総合すると、インフレは今後の一定期間も引き続き国内の経済運営における主な問題点になるとみられる。
現在、インフレ圧力が穀物価格の安定とともにやや鈍化しており、ここから中国経済のインフレ圧力は穀物価格の段階的低下に伴い、下半期には目立って弱まるとの見方がある。だが世界的背景を踏まえて中国のインフレ圧力を考えると、このように楽観的な結論は導き出せない。かえって新たなグローバル環境の下で、今後も相当の長期にわたり、インフレ圧力は中国のマクロ政策で必ず直面しなければならない現実的な圧力であり続ける可能性がある。
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