中国人民銀行(中央銀行)の副総裁を務める胡暁煉・国家外貨管理局局長はこのほど、大連・蘇州・武漢などへの視察を行い、「マクロ調整をより効果的に実施するためには、海外資本の流動管理を強化する措置を取らなければならない」と指摘した。利ざや稼ぎをねらった投機資金が貿易や企業間信用などを通じて流入することも規制される。「上海証券報」が伝えた。
胡局長は、「経常項目での外貨収支活動と実際の貿易行為が一致しているかどうかの検査を強化・改善し、短期外債に対する抑制と管理を強化する必要がある」と指摘し、「貿易時の外貨受け取り・決済と貿易信用貸付の管理を改善することが重点だ」と述べた。
アナリストによると、胡局長の発言は、監督管理部門がホットマネーの流入に対する措置をすでに取り始めたことを示している。中国では今年年初から、外貨準備高から貿易黒字と海外直接投資(FDI)を引いた「説明のつかない外貨」の流入が増加。ホットマネー流入の加速が懸念されていた。
しばらく前に公表された「2007年中国国際収支報告」によると、中国の短期外債の増加分に占める貿易信用貸付の増加分の割合は80%にのぼる。専門家は、「貿易信用貸付は、一部の投機資金が合法性を装って流入するための道具となっている」と指摘している。
|