米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題や米ドルの下落を受けて、人民元やユーロなどの対米ドル相場が上昇している。ユーロは自由兌換通貨であり、主要な外貨準備通貨でもあるが、人民元は自由兌換通貨ではないし、外貨準備通貨でもない。両者の値上がりが本国経済に与える影響はそれぞれに異なる。「上海証券報」が伝えた。
個人の両替
一般的には、人民元やユーロの値上がりは、本国・本地域の個人が米国に旅行したり留学したりする場合にはプラスになる。人民元やユーロがより多くの米ドルと交換できるようになるためだ。注意しておきたいのは、人民元は自由兌換通貨ではないため、初めに人民元を米ドルに両替する必要があり、一定額の人民元であれば以前より多額の米ドルと両替できるようになったが、国から外貨を購入する場合に安く購入できたとすれば、それは国が補助金を支払っているのと同じだということだ。国が8元で買った1ドルが、個人に7元で売られるケースもある。一方、ユーロ圏での事情はさ
まざまだ。ユーロは自由兌換通貨であり、国際金融市場で直接、自由に両替ができる。政府は兌換コストを引き受ける必要がなく、個人は米ドル下落とユーロ上昇の利点を享受できる、つまりユーロ上昇により通貨発行特権を享受できる。これまで国際金融市場では1ユーロで購入できるのは1ドルだったが、現在では1.5ドル購入することができ、これにより0.5ドル分の通貨発行特権が享受できることになる。人民元には上昇によって通貨発行特権を享受することは不可能だ。なぜなら人民元は国際金融市場での両替が不可能で、国内金融市場での両替しかできないからだ。そして両替で利益が出た場合、それは国が補助金を支払ったことと同じになるからだ。
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