(1)人民元値上がり
インフレの持続、投資の失速、自然災害の連続――中国は今年上半期、厳しい挑戦と試練に直面してきた。株式市場は低迷を続け、原油価格の高騰と世界的なインフレは世界経済の成長を大きく失速させた。上半期の経済生活を振り返ると、最も注目を浴びたキーワードとして、▽人民元値上がり▽CPI▽製品油価格・電気料金の調整▽不動産価格の低下▽準備金率▽無料レジ袋の禁止▽ホットマネー▽電気通信業界の再編▽災害支援▽塩漬け株――が挙げられる。
今年に入ってから、人民元の値上がりはさらに加速した。統計によると、今年上半期の人民元の値上がりは6.50%に達した。07年通年の上昇率6.53%に迫る上昇率となり、為替制度改革以来の累計上昇率は18.24%に達した。月ごとの上昇率は、▽1月1.66%▽2月1.12%▽3月1.24%▽4月0.27%▽5月0.76%▽6月1.28%――で、6月の上昇率は1月に次ぐ高さとなっており、人民元値上がりのテンポは07年に比べても明らかに高くなっている。
半年で6.5%(通年で13%)の上昇速度は多くのアナリストの予想を上回った。これは人民元レート関連の政策の自発性が強まり、中央銀行が市場の予想を徐々に打ち破っていることを示すものでもある。専門家はこれについて、▽国際金融の動向が比較的複雑である▽国内のインフレ圧力が短期間では緩和しない▽ホットマネーが水面下で激しく動いている――という現在の状況のもと、人民元の値上がりのテンポをいかに把握するか、経済発展を引っ張る力を輸出から国内消費へいかに移行していくかということが、人民元レート問題の最大の課題となっていると指摘する。
中央銀行の周小川総裁は先に、中国が人民元レートの弾性を徐々に拡大していくことを再度強調した。現在の状況をみると、人民元レートの上昇傾向は依然として継続している。
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