(1)中国のシリコンバレー
「第3次技術革命」と呼ばれる情報技術の急速な発展と中国の改革開放は1980年代、北京中関村の発展にかつてない歴史的なチャンスを与えた。中関村にはここ20年で大きな変化が起こった。科学技術研究者が退職して自ら資金を集めて創業するケースが当初は多かったが、多くの海外留学経験者が世界の先端技術や管理経験や資本を持ち帰って事業をおこすようになった。「資金は自分で集め、自由に組織し、自分で経営し、利益も損失も自分で引き受ける」という模索の段階から、市場化・法制化・国際化の深いレベルでの改革が実施されるまでになった。
▽世界の新たな革新センターに
中関村はかつて、「4.8分に1社の割合で新たな企業が誕生し、3.6日に1社の割合で年商1億元超の企業が増える」と言われるほどの急成長を遂げた。中関村は現在までに、「中国のシリコンバレー」の名にふさわしい成長を遂げたといえる。
中関村科技パークの企業総収入はここ20年、急速な増加を続けてきた。近年ではその成長率は年間平均40%に達している。中関村のハイテク企業の総収入は07年には9千億元を突破し、中国に54カ所ある国家級ハイテクパーク全体の7分の1に達している。中関村のハイテク産業で生み出された付加価値は1600億元におよぶ。ソフトと集積回路の設計ではそれぞれ、全国の4分の1と3分の1を占めている。自主知財権を持つオペレーティングシステムや、情報安全や重点産業のための応用ソフトなどでの市場シェアは国内トップを誇る。中関村の年間技術取引額は全国の4分の1以上を占め、そのうち60%が北京以外の地区へと取引されている。
中関村科技パーク管理委員会の戴衛・主任は、「2015年までに、科技パークのハイテク技術上場企業は200社に達し、年商1億元以上の企業は1千社を超える見通しだ。パーク全体の総収入は1兆元を突破し、世界の新たな革新センターとなる」と語る。
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