輸出は今後も減少傾向に
董先安氏によると、中国の貿易黒字が史上最高を記録したのは事実だが、このデータは現状に対して遅れを取っている。新たな発注数の減少は今後数カ月のデータに表れるとみられ、輸出の伸びは今後も減速を続けていく見込みだ。「国際金融危機の影響で外需は予想以上に縮小しており、輸出産業へのプレッシャーはさらに大きくなるだろう」と董氏は語る。
張新法氏によると、中国の輸出に対する国際金融危機の影響はまだ完全には現れていない。欧米などでは現在、実体経済がマイナス成長に入ったばかりで、その影響が消費へと伝わるまでにはまだ一定のプロセスがある。もしもこの影響が完全に現れれば、外需の縮小は相当なものとなるはずだ。張氏は、中国の輸出の今後は楽観視できないと考えている。
国際通貨基金(IMF)はこのほど、09年の世界経済成長率の予測を大きく引き下げた。先進国の経済規模は第二次世界大戦以来の縮小に転じ、0.3%のマイナス成長となるとの予想だ。そのうち米国経済は0.7%のマイナス成長となり、ユーロ圏の主要経済国であるフランスとドイツもそれぞれ0.8%と0.5%のマイナス成長となるという。
張新法氏は、「外需に希望が持てない以上、内需拡大で成長を維持する必要がある」とし、政府が打ち出した内需拡大のための10措置を高く評価した。董先安氏も、「政府は今後しばらく、成長維持のために全力を尽くすはずだ。さらに大規模な財政刺激や金利引下げが打ち出される可能性もある」との見方を示した。
「人民網日本語版」2008年11月12日
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