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金融危機の暗雲のなかで光を探す人々は、BRICsを代表とする新興経済国に目を向け始めている。BRICs4カ国は7日、ブラジルのサンパウロで初の財務相会議を開催した。米国の経済学者はこれについて、世界経済の安定に寄与するものだと評価した。これは、BRICsの経済力が飛躍的に増大したからだけではなく、世界経済が衰退局面から一刻も早く抜け出すためにはBRICsなどの新興経済国の先導力が必要となるためだ。
「BRICs」とは、ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国を指す。米ゴールドマン・サックスの経済学者であるジム・オニール氏の提出した概念だ。オニール氏のチームが作成した報告書によると、世界の新たな6大経済国は2050年までに、中国・米国・インド・日本・ブラジル・ロシアとなり、BRICsは世界経済の柱となる。
今回の金融危機で、BRICs4カ国は大きな注目を受けた。その理由は3つ挙げられる。第一に、世界の金融・貿易システムとBRICsとの相互関係は不断に深まっており、世界資本市場におけるBRICsの占有額も大きく増加していることから、BRICsの安定は世界の安定に直結する。第二に、BRICsの経済的基礎は比較的優れており、強力な弾力性を持っている。BRICsの経済成長は金融危機の影響で今後1~2年は減速する可能性がある。だがほとんどの経済学者は、巨大な外貨準備高と比較的安定した銀行システムをBRICsが持っていることから、すばやい対応がなされれば、欧米諸国のような深刻な衰退にはいたらないだろうと予想している。第三に、BRICsの国内経済の潜在力が大きいことから、比較的早い復活が見込まれ、世界経済の新たな成長を引っ張る重要な力となる。
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