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世界規模で見ると、現在の主要な問題は、BRICs4カ国が国際金融システムの中で持つ地位と発言力が、その実力と潜在力に見合っていないことだ。このことは4カ国の発展を妨げている上、公平・公正・寛容・秩序を原則とした国際金融の新秩序の構築にも影響を及ぼしている。BRICsが今後さらに重要な役割を果たすことを期待するなら、国際社会は、BRICsの利益の訴えをより重視し、BRICsにもっと大きな発言権を与え、新たな国際金融秩序が世界経済の新たな変化を正確に映し出すようにするべきだ。
BRICs4カ国の発展プロセスの独自性に対する尊重も必要となる。BRICsがここ数年で、比較的強い経済力を蓄積することができたのは、各国が自らの具体的な状況に基づき、自らに合った発展の道を見つけることができたからだ。依然として模索状態にある分野がいくつかあるとはいえ、ジム・オニール氏が言うように、これら各国は欧米とは異なり、欧米のモデルを真似することはできない。そしてこの相違こそが、世界経済にかつてない活力を与えているのだ。世界経済が持続的発展を実現できるかどうかは、BRICsなどの新興経済国にさらなる発展の条件を作り出すことができるかにかかっている。今後の国際金融秩序を改革していく際に考慮しなければならない問題だ。
もちろん、発言権の増大や地位の向上は、BRICs4カ国がより大きな責任を負わなければならないことを意味している。4カ国はこのため、二国間と多角間の協調を強め、ほかの新興経済国との疎通を強めていく必要がある。世界の新興経済国の代表として、また世界経済を構成する重要な一部として、BRICs4カ国は手を携えて共に進んでいくべきだ。そうすれば、BRICsは、世界経済という巨大な船を安定させる「いかり」となることができるだろう。
「人民網日本語版」2008年11月14日
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