ホーム>>経済>>視点
「中国最高のシンクタンク」国経センターが設立
発信時間: 2009-06-26 | チャイナネット

 

記者 財源はどこから。協賛企業の代弁者になるか。

鄭氏 新しいシンクタンクには、新しいメカニズムが必要である。わが国の研究機関は多くが党や行政機関の内部に設置され、国の財政に依存しているが、国外では民間が資金援助している。国外の運営の経験は参考に値するし、米国では、ロックフェラー一族が毎年、有名なブルッキングス研究所に7000ドル以上を援助している。国経センターが設立された際、立ち上げ費用として財政から500万元が拠出されたが、それ以降はない。だから、資金の調達に責任を担う基金会を設立することにした。すでに20社を超える国有企業が名を連ねているが、国内企業は民間のシンクタンクを支援する情熱も能力も持ち合わせている。将来は私営企業や多国籍企業にも参加してもらい、財源を多様化することで、研究成果が協賛側の影響を受けることのないよう、また、特定の企業に利することのないよう、しかも業界や地域の枠を越えていくことが必要である。総合的な目標は資金規模を5億元にする。運営をすべて市場化し、国のお金を一銭も使用しないことは、センターの研究の独立性を維持するうえでプラスとなっている。

記者 メンバーの多くは職務に就いていないので、「クラスは高くとも、組織的にばらばら」になるのでは。

鄭氏 研究者は3つに分類できる。1つは、正式の職員で、中心となる層である。ネットで募集しているが、ハードルは非常に高くとも、かなりの応募があり、国経センターの力であることを物語っている。次に、出勤はしても、職員でない人である。退任した省長(県知事に相当)や大臣、司長(部長に相当)や局長、それに高級研究者である。第3はフリーランサー。主に社会で研究の要になっている人たちで、センターは関連する課題の達成を依頼し、一定の報酬を払う。

この3カ月近く、センターは経済研究やコンサルティング・交流、国際協力、情報サービスの分野で好スタートを切り、運営は順調だし、「ばらばら」は散見されず、皆さん張り切って仕事をしている。当面の関心の高い経済問題について週に1回、学術討論会を開いている。また中央政府に直送する「要情(重要な情報)」のほか、「研究報告」や「信息(情報)の反映」「智庫言論(シンクタンクの発言)」などの専門雑誌を編集・発行している。研究報告はすでに十数部に上っており、グリーンの復活、輸出ルートの拡大といった課題をめぐる成果は中央政府から高い評価されている。

世界シンクタンク・サミットはセンター設立後初の大規模な対外活動となり、議題は理事会が協議して決めることにしている。世界の著名なシンクタンクが一堂に会し、それぞれの政策力を結集し、金融危機の今後の動向や世界の成長の回復の道を模索することが目的である。世界に中国の新しいシンクタンクの姿を示す1つのチャンスとなる。

記者 国内シンクタンクと国外シンクタンクとの差はどこにあるか。

鄭氏 1つの数字を教えましょう。世界にはシンクタンクが約6000あるが、そのうち1800近くが米国にある。「ローリングゲート」というメカニズムが米国のシンクタンクの大きな特色である。

いわゆる「ローリングゲート」とは、即ち、シンクタンクメンバーとしてのステータスが政界の要人と研究者との間で変わるということである。人によっては2、3回に及ぶこともあり、そうすることで政府に活力を維持させ、シンクタンクを政府のために人材を育成、準備するプラットホームにする。まさにこうしたことから、先進国のシンクタンクの社会的エネルギーはかなり大きく、それは政界や産業界、学界に及んでおり、政府の政策決定や世論に直接影響を与えている。米国では、重要な政策の決断に当たっては、一般にシンクタンクが提言をまとめた後に、世論が議論し、議会が公聴会を開いて最終的に政府が受け入れており、シンクタンクの参与度、公衆の信頼度は非常に高い。

シンクタンクは外交面で特別な役割を果たしている。米ブルッキングス研究所の研究員は多くが大使を務めており、厚い人脈を蓄積し、世界の舞台で万事順調に活躍している。シンクタンクの声は時により説得力を持つことがあるが、中国では長年にわたり政府以外のシンクタンクは世界のシンクタンクとの意思疎通に欠けている。まったく新しい広報ルートを構築し、中国のソフトパワーを確立して国際的な発言権を掌握することが急がれている。

記者 理事会がセンターに期待するのはなんであろうか。

郑新立:以我来说,我的心愿是把中心打造成世界一流智库,为中国的智库建设作出有益探索。当前,应对危机不仅需要政府通力合作,也需要各国智库的头脑风暴。正如本次全球智库峰会的主题:“共享人类智慧,共谋全球发展”——这是智库理应承载的责任。

鄭氏 私個人について言えば、センターが世界一流のシンクタンクとなり、中国のシンクタンク設立のために有益な模索をしていきたいと願っている。現在、危機に対応するには政府間の協力のみならず、各国のシンクタンクが知恵を競い合うことが必要である。今回のサミットのテーマの「人類の知恵を共有し、世界の発展を共に目指す」ということは、シンクタンクが担うべきな責任である。

「チャイナネット」 2009年6月26日

     1   2  


  関連記事

· 初の世界シンクタンクサミットが7月に北京で開催

· 中国社会科学院がアジアのシンクタンクでトップに

· 中国ASEANシンクタンク戦略対話が開催

· 中国のシンクタンク、2020年に向けたアジア戦略を提言

· 中国・ASEANシンクタンク戦略対話が開催

  同コラムの最新記事

· 今後10年の中国経済に関する10の予想(6)

· ポスト危機時代の世界経済 ゼーリック氏講演

· 中日韓金融協力の可能性

· 今後10年の中国経済に関する10の予想(5)

· 中央銀行副総裁 潜在的金融リスクの防止を呼びかけ