金融市場が大幅に反転上昇し、人々の間に楽観的な気分が強まるのに伴い、金融危機後の世界経済にはどのような変化が生じるだろうか。われわれは今後、どのような世界に直面することになるのだろうか。こうした問題に各方面が関心を寄せている。「国際金融報」が伝えた。
未来を予言することは明らかに困難だ。だが世界銀行のロバート・ゼーリック総裁はこのほど「危機の後」と題する講演を行い、その中で「危機後の大きな特徴は、世界の経済パワーと経済成長モデルにバランス再編が必要だということだ。世界の主要な経済体のうち、金融危機の中心である米国は今後、経済力と影響力の低下をみることになるだろう。これと対照的に、中国は世界経済の安定したパワーとなりつつある」と指摘した。
ゼーリック総裁によると、こうした判断には、これを支える要因が少なからずある。第一に、中国はこのたびの危機に力強く対応し、今後も引き続き当面の財政・通貨政策を継続するだけの余裕があることが挙げられる。第二に、中国経済の復興ペースは速く、他国はここから利益を得、ひいては中国の影響がさらに高まるということが挙げられる。
「実際のところ、現在、中国は世界経済の安定したパワーになりつつある」。これはゼーリック総裁の言葉だ。またゼーリック総裁は、ポスト危機時代は中国以外の大型新興経済体、たとえばインドの発展を反映する時代にもなるとの見方を示した。
今後の展望についてゼーリック総裁は次のように述べた。世界には「多極的な成長」の局面が現れる可能性がある。このことは世界がバランスの取れた全面的な成長を達成する上でプラスになるとみられる。また南米、アジア、中東の諸国が、インフラ、民間、民間企業などへの投資を通じて、世界経済の新しいモデルづくりに貢献するのにもプラスになるとみられる。
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