世界金融危機を背景として、中国経済の将来への関心が高まっている。中国経済は今年、どのように動いていくのか。経済発展の明るい見通しはどこにあるのか。国務院発展研究センターの盧中原・副主任によると、中国経済の発展には次の8つの強みがあるという。「人民日報海外版」が伝えた。
第一に、中国の需要が引き続き増加していく傾向にあること。国際的な例を見ても、この傾向はまだ十数年は続く見込みだ。都市化や工業化の加速によって引っ張られる部分もあるし、消費によっても引っ張られる部分もある。中国は現在、資本が労働を代替する時期にあり、今後しばらくは大規模な投資が予想される。都市化は、大規模なインフラ投資と農民の都市流入を意味しており、投資と消費を引っ張り、都市だけではなく農村にも利益を与えることになる。
中国の消費構造は現在、「衣食を満足させる段階」から「ややゆとりのある段階」へのグレードアップを遂げつつある。これには 少なくとも十数年が費やされる見込みだ。「ゆとりのある段階」では住宅や自動車の購入が増加し、このことは需要全体の拡大につながる。なぜなら不動産や自動車は、他の産業とのかかわりが強い産業だからだ。かつての消費構造グレードアップでは、産業面でのこれほどの変化はなかった。今回の中国経済の持続的成長は消費構造の変化にかかっていると言える。
中国の中長期的な経済発展の動力は、技術の進歩と構造の改善、体制イノベーションからもたらされる。これほど大規模な内需・投資・消費が折り重なった国は中国をおいてない。中国は今後、実際の生活の中から経済的なルールを見出し、マクロとミクロ、海外と国内を結び付けていく必要がある。そうしてこそ将来への信頼感も生まれる。経済発展の明るい見通しは都市化と工業化だけにあるのではなく、末端市場の需要の大きさにこそある。工業化の加速は、一般国民の消費グレードアップによって推進されていく見込みだ。
第二に、資本の問題。中国では総貯蓄率が40%に達し、この半分以上は国民の貯蓄だ。これは中国の投資成長の潜在力となっている。高い貯蓄率は高い投資の土台となる。現在の問題の中心は、中央銀行がどう貨幣政策を緩和するかにあるのではなく、金融資源を動員し経済成長をサポートし需要潜在力を支える金融改革の計画があるかにある。
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