消費の割合低下のさらに重要な原因はここにある。国民所得(給与と投資所得が形成する)のうち家庭に流入する割合が低下し、企業利益の割合が上昇している。中国の成長は資本密集型産業に集中しており、鉄鋼などの重工業は労働集約型のサービス業ではない。したがって、利益(投下資本の回収)の増加が給与収入を上回っている。
低い銀行金利が資本密集型産業を刺激し、国有企業が全ての利益を再投資できることもその強化につながっている。政府も為替レートや土地、エネルギーなどの要素価格の抑制を通じ、サービス業でなく製造業を支援している。
家庭支出の増加を呼びかけるだけでなく、中国の成長モデルを消費主導に転換させる必要もある。「福利厚生システムを強化することは重要だが、政策にも注目すべきである。どのように家庭収入を増加させ、会社の貯蓄を減らすかにも」と、クェジス氏は述べる。成長が労働集約型産業に頼るようになるには、多くの変化が必要である。中国は金融部門の改革を行い、国有企業の資金コストを引き上げ、民間企業、特にサービス業を高め、貸付の機会を与える必要がある。高金利も家庭収入の増加にプラスとなる。国有企業にはより多くの配当金支払を強制すべきである。これらの改革は福利厚生システムを確立するより難しく、政府にも経済に対する抑制を和らげるよう要求する。最後に、中国は為替相場の上昇を認める必要がある。そうすることにより消費者の購買力を高め、製造業の過剰な投資を抑え、貿易黒字の減少にもプラスとなるだろう。
「チャイナネット」 2009年9月2日
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