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中国の対外投資、急速発展期に突入
発信時間: 2009-09-14 | チャイナネット

上昇傾向に変わりない

今後の動向について、邢厚媛氏は楽観的な見方を示しており、次のように述べた。今年上半期の状況を見ると、昨年と何の変化もない。ただし、以前の予想を上回っていることは間違いない。特に欧米経済の後退は減速し、景気後退は底打ちに近づいている。第3四半期の動向への期待が高まっており、後退が止まり、ゼロ成長またはプラス成長となることが望まれている。よって、今後、中国企業の対外投資の下降リスクは低下し、プラス要素となる。

しかし、景気が回復に向かっているのに伴い、国際資本市場、上場会社の株価も回復し、海外買収の価格が昨年より高くなることにも注意する必要がある。リスクは低下したが、コストは上昇している。

邢厚媛氏は、今年の対外直接投資、特に買収・合併関連の投資はさらに活発となると予想する。しかし、100億元を超えるプロジェクトは少なく、これは中国アルミの提携破談とも多少関係があるといえる。そのほか、資源類の石油や鉄鉱、製造業の自動車のほかに、技術やブランドに関するプロジェクトの買収も増えている。繊維業の蘇寧が日本の小売業者の株式を買収するなど、多分野、広い地域での買収パターンが出来上がっている。国別に見ると、米国やドイツに集中するのでなく、スイスやオーストラリア、日本などへの投資も増えている。

邢厚媛氏は、対外直接投資は中国の開放型経済発展の重要な部分となっていると見ている。中国の対外投資はすでに急速発展期に突入しており、中国は世界経済において中心的役割を演じ、「製品生産国」から「資本輸出国」へと転換する。

それに応じた管理体制とサービス体制を完備するため、商務部は昨年、『対外事業請負管理条例』を公布した。また、年内に2つの条例が制定される予定である。一つは、『対外労務協力管理条例』で、年内に公布される見通し。もう一つは『対外投資協力条例』で、現在、商務部と関連部門が協議を進めており、近々公布される予定。さらに商務部は今年、『海外投資管理弁法』も公布している。

「チャイナネット」 2009年9月14日

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