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ノーベル賞受賞者「アジア通貨」の可能性に言及
発信時間: 2009-11-11 | チャイナネット

ノーベル経済学賞を受賞したロバート・マンデル氏は10日、北京で開催された「2009年ノーベル賞受賞者北京フォーラム」に出席し、その場で寄せられた質問に対して次のように答えた。中新網が伝えた。

アジアには統一の域内通貨を確立する必要があり、政治的条件に基づいてこれを保障しなくてはならない。アジアには二つの大国、すなわち中国と日本があり、両者が手を携えて協力すれば、統一の地域通貨が誕生する可能性がある。この2国がうまくやっていけなければ、共通の通貨をもつことは不可能だ。

経済的条件が備わったとすれば、次に政治的条件が整っているかどうかをみなければならない。たとえば1969年に、欧州が統一の通貨を生み出すにはどのぐらいの時間が必要なのかと聞かれたが、私は、ひとつの通貨圏を構築するには技術的条件の保障が不可欠であり、少なくとも3週間が必要だと答えた。しかし、それから30年が経ち、1999年になってやっと(ユーロ通貨圏が)実現した。

当時3週間という数字を挙げたのには、実のところ2つの要因がある。一つはフランスとドイツがまだ共通認識に達せず、ユーロ形成の障害になっていたこと。もう一つは1969年当時、欧州諸国はなお固定的な為替相場制度を採用しており、共通の金利やレートというものがなかったこと。1971年になってこうしたシステムが崩壊したが、各国はまたそれぞれのやり方を採用し、その後長い時間を経て、ようやく政策のすりあわせが始まった。こうしたことから、政治的、経済的にみて、当時はユーロ圏の構築は非常に困難だった。米国は当時、指導的地位にあり、覇権主義的な色合いが濃厚だった。だがアジアでは米ドルがこれほど強くはない。現在、米国の国内総生産(GDP)が世界経済に占める割合は23%、日本は7-8%。中国は7%で2011年には日本を追い抜く見込みだ。よってアジアが統一の通貨を確立できるかどうかは、中国と日本という2大国がどれくらい協調できるかにかかっている。(編集KS)

「人民網日本語版」2009年11月11日

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