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人民元切り上げが世界経済の回復妨げる可能性も |
発信時間: 2009-11-13 | チャイナネット |
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世界銀行の副総裁兼チーフエコノミストの林毅夫氏 世界銀行の副総裁兼チーフエコノミストの林毅夫氏は9日、香港大学で金融危機と世界経済構造のアンバランスについて講演を行った際、金融危機で露呈している世界経済のアンバランスを「人民元の過小評価」に帰することはできないと述べた。また、人民元の切り上げは逆に世界経済に影響を及ぼし、さらには、始まったばかりの回復傾向を阻止する可能性もあると指摘した。 林毅夫氏は、その他の国は中国に圧力をかけて人民元を切り上げるようなことはすべきでないとの見方を示した。圧力をかけ人民元を切り上げさせ、自国通貨の相場を低位に維持することで輸出を刺激するというやり方は、保護主義に等しい。 世界経済が回復するにつれ、経済のアンバランスの深刻化、新たな問題、特に資産バブルを引き起こす危険性への懸念が高まっている。しかし、短期的な為替レートの切り下げ措置では世界経済構造のアンバランスを解決できず、この問題を解決するには世界各経済体がともに努力し、構造改革に取り組む必要がある。また、米国が巨額な財政赤字の管理をより慎重に行う一方で、中国も貯蓄率の引き下げに対しならんかの措置を取り、医療などの保障体制の整備に資源を投下し、内需拡大を図る必要がある。 当面、世界経済は安定した回復傾向にあるが、回復局面はまだ固まっておらず、多くの不確定性が残る。仮に、人民元がこの時期に切り上げられた場合、次の2つの状況が考えられる。1つ目は、中国から同じ量の生活用品を輸入した場合、価格がもっと高くなる。2つ目は、その他の経済体からより多くの生活用品を輸入した場合、価格がもっと高くなる。この2つの状況はいずれも米国の貿易赤字の増加を招くことになる。そして、中国からの輸入消費財が高くなることで、米国の消費需要は抑制されるだろう。 中国の活力に満ちた成長は世界経済の回復にとって非常に重要である。最近の中国経済の力強い回復は、世界経済の回復をけん引する重要な原動力の1つとなっている。中国にとって、安定した人民元為替レートは輸出経済の運営に極めて重要であり、これにより経済のプラス要因がその他の国に伝わることになる。 「チャイナネット」 2009年11月13日 |
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