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人民元は準備通貨になる可能性がある 世銀総裁
発信時間: 2009-11-12 | チャイナネット

世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は11日、米ドルの準備通貨としての地位はしばらくは相対的に安泰だが、米国は米ドルが世界経済で主導的地位を果たすのを当然と考えてはならず、政策を制定する際には責任ある態度を取らなくてはならない、と述べた。また最近、各国の中央銀行が外貨準備の選択肢を多様化させている動きには限界があるが、人民元は今後10年ほどで準備通貨の「代わりの選択肢」になる可能性がある、と述べた。「国際金融報」が伝えた。

ゼーリック総裁は次のように述べた。

ある国が安定した財政・通貨政策を実施できなければ、リスクに直面することになる。このため、米国政府は増加を続ける巨額の財政赤字の問題を真剣に解決する必要がある。

中国はこれまでに人民元建て資本の自由両替が実現するよう慎重に事を進めてきており、資本市場の発展といった中国経済の急速なモデル転換が今後、人民元の国際的地位の向上を助けることが予想される。今後10年から15年の間に、まっさきに目にすることになるのは人民元の国際化であり、人民元が準備通貨の代替的な選択肢になることだ。

日本は日本円を国際的な通貨にするために積極的で有効な措置を何も取っておらず、米ドルの潜在的な競争相手としての日本円の力を削いでいる。

現在のグローバル経済の復興の歩みには満足している。復興ペースは比較的緩やかだが、現在、さまざまな復興のシグナルを目にすることができる。各国政府は経済刺激政策の撤回を急いではならないが、新たな措置を補充する必要もない。現在の一連の経済刺激プランを今度も継続していくのがよい。各国政府は2010年までは経済刺激プランを撤廃することはないとみられる。

各国の政府・中央銀行が経済システムに大量の流動性を注入することによりもたらされる可能性のある、潜在的な資産バブルリスクを懸念している。現在、個別の市場において、すでにこうした情況が現れており、中央銀行がインフレの影響に対応する場合に、特に資産バブルに対応する場合に、課題となって立ちふさがっている。

「人民網日本語版」2009年11月12日

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