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日立、中国でPBT樹脂の製造プロセスライセンスの提供と基本設計を受注 |
発信時間: 2009-11-19 | チャイナネット |
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株式会社日立プラントテクノロジー(本社:東京都、執行役社長:住川 雅晴)は、このほど、中国石化国際事業有限公司(本社:中国 北京、董事長:蒋振盈氏)が新設する年産6万トンのポリブチレンテレフタレート(PBT:Poly-Butylene Terephthalate)樹脂生産プラントの製造プロセスライセンスの提供と基本設計を受注しました。着工は2010年2月、生産開始は2011年初頭の予定です。 なお、当社としては中国では初のPBT樹脂生産プラントの受注となります。 PBT樹脂は、テレフタル酸(*1)と1,4-ブタンジオール(*2)を原料とし、エステル化反応(*3)と縮重合反応(*4)によって得られる熱可塑性ポリエステルの一種で、耐熱性、耐候性、寸法安定性、加工性に優れていることから、自動車のドアミラーなどの筐体や電装部品、電気・電子部品等の広範な用途で使用されています。これらの産業は、中国、東南アジアでの生産が拡大していることから、PBT樹脂も同地域での高い成長が期待されています。 当社では、長年にわたって培ってきた高粘度液処理技術や、豊富な実績を有するポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)製造プロセス技術等をベースに、2000年にPBT樹脂製造プロセス技術を開発し、これまでに国内で1件、海外(マレーシア、サウジアラビア)で2件の受注実績があります。当社プロセス技術を採用した既納プラント製PBT樹脂の品質の高さは広く樹脂業界に浸透して来ており、その評価が今回の受注につながったものです。 当社のPBTプロセス技術は、高効率に加熱可能な独自機構を採用したエステル化反応、および得意とする高粘度液撹拌技術を駆使して低温の処理を実現する縮重合反応により、①着色の少ないPBT樹脂を製造できる、②短時間での品質切替が可能、③幅広い品種の生産が可能という特長があります。 当社では、PBT樹脂以外にも、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリ乳酸(PLA:Polylactide)等の各種機能性樹脂の製造プロセス技術を保有しており、これらのライセンスを提供する「ライセンスビジネス」を核に、特殊化学機器の納入、さらにはEPC受注の拡大を図っていく方針です。 (*1)テレフタル酸: 分子式C8H6O4の芳香族カルボン酸。ペットボトルや衣料の原料として用いられる。 (*2)1,4-ブタンジオール: 分子式C4H10O2の有機化合物。 (*3)エステル化反応: 酸とアルコールから脱水縮合して重合体をつくる反応。ポリエステルの製造では前段部分を担う。 (*4)縮重合反応: 複数の化合物が互いの分子内から水などの小分子を取り外しながら結合し、高分子を生成する反応。ポリエステルの製造では後段部分を担う。 ■受注概要 顧客名 中国石化国際事業有限公司 プラント名 ポリブチレンテレフタレート(PBT)プラント プラント所在地 中国江蘇省儀征市 プラント生産能力 年産60,000トン 受注内容 ポリブチレンテレフタレート製造プロセスライセンス、基本設計 完成年月 2011年1月(予定) ■日立プラントテクノロジーのプラスチック製造プロセス技術について 当社は、PET、PC、PBT、PLA等のプラスチック製造プロセスおよびプラントを開発し、多数納入しています。PETプラントでは、世界最大級(年産20万トン)を含めてこれまでに100系列以上を国内外に納入しており、PBTプラントも世界最大級(年産6万トン)のものを納入しています。また、近年の環境意識の高まりを背景にニーズが増大しているバイオプラスチックの一種であるPLAプラントも国内外で受注しています。これらの製造プロセスの開発にあたっては、笠戸生産統括部(所在地:山口県下松市)内のパイロットプラントを活用しています。
「チャイナネット」 2009年11月19日 |
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