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中国が世界一の輸出国に 「貿易強国」とは言えない
発信時間: 2010-01-11 | チャイナネット

中国税関総署が10日に発表した2009年の中国の対外貿易データによると、中国の輸出入総額は昨年同期比13.9%減の2兆2072億7000万ドルで、そのうち輸出額は同16%減の1兆2016億7000万ドル、輸入額は同11.2%減の1兆56億ドルだった。貿易黒字は1960億7000万ドルで、昨年同期より34.2%減少した。

中国商務部の鐘山副部長は「中国の対外貿易は09年に市場とシェアを保つ既定の目標を達成し、国際市場での中国製品のシェアを9%前後に保った。中国はドイツを抜いて世界一の輸出国となる可能性は高い」と話す。

「09年度のデータを見ると、輸出額と貿易黒字の大幅な減少は、国際金融危機がかつてないほど大きな衝撃だったことを示しており、中国経済の成長にマイナスの影響をもたらした」と言うのは、中国国務院発展研究センター対外経済部の趙晋平副部長だ。

中国の対外貿易にとって2009年は最も困難な1年だった。輸出入総額は大幅に減り続け、上半期の平均減少幅は20%以上。下半期、特に第4半期の減少幅は明らかに縮まったが、09年度の減少幅は改革開放以来最大だった。

金融危機のショックにより、中国経済、特に対外貿易が大きなダメージを受けてた。しかし中国政府は外需安定を進める政策を実施し、数多くの企業も積極的に対応したこで、中国の対外貿易は崩れず、輸出額の減少幅も大多数の貿易国よりずっと低かった。

ドイツは2002年から6年連続で世界一の輸出大国の地位を保ってきた。しかし09年度の対外貿易のデータはまだ発表されていないが、ドイツ輸出商協会やグローバル貿易情報サービス会社などはすでに中国が世界一の輸出大国になったと確認している。

国際市場における中国の対外貿易の新しい変化に対して趙晋平副部長は「中国は輸出でドイツを超えて世界一にのし上がったが、輸出製品の構造や自主的革新能力、産業のコア競争力では、中国ははるかに『貿易強国』とはいえない」と非常に冷静な態度を示す。

2010年を展望すると、国際経済情勢の複雑性や国際市場のニーズの不確定さは、相変わらず中国の対外貿易が直面する主な難問であり、国際的な貿易保護主義や人民元の値上がりによるプレッシャーも、対外貿易の情勢をより一層複雑にさせている。

中国の対外貿易は持久戦に備えて心理的な準備をする必要があると趙副部長が言うように、中国は輸出の安定した成長を促すと同時に、金融や税収、環境保護、土地などの手段を通じて、高エネルギー消費、高汚染、資源消費の輸出を厳しく規制し、自主的知的財産権を持つ製品や自主ブランド、高い付加価値のある製品の輸出を拡大しして、貿易のパターンの転換やグレードアップを加速させなければならない。

「チャイナネット」 2010年1月11日

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