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中国は世界により多くのチャンスを与える |
発信時間: 2010-01-11 | チャイナネット |
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現時点での統計データを見る限り、中国がドイツを抜いて世界1位の輸出大国になったことは確実だ。 2009年4月以来、中国の月間輸出額はドイツを抜いており、税関がまとめた1-10月の輸出額は9574億ドルに上った。グローバル・トレード・インフォメーション・サービス(GTIS)が発表した同期のドイツの輸出額は9177億ドルだった。このことは中国が国内総生産(GDP)で日本を抜いて世界2位に躍進するという話題とともに、世界にふたたび中国の飛躍的な歩みを実感させた。 中国が輸出でドイツを抜いたことには、次のような土台がある。▽工業化の継続的深化・拡大▽ドイツの10倍以上の巨大な人口規模と、これによる優位性をまだ十分に発揮していないこと。これは生産や販売の規模が今後一層拡大し、世界的な経済の市場競争の中でより大きなスケールメリットを享受するようになることを意味している▽人口の多さと地域ごとの発展のアンバランスが、中国の産業を高度に多様化させ、多くの産業が国際競争力を備えるに至ったこと、などだ。 国際金融危機の発生後、中国経済の動きは世界の中で最も順調であり、マクロ経済の安定性は最も高く、中国の輸出企業は競争相手よりも一層安定した環境にあったことがうかがえる。これと同時に、危機の中で投資商品やぜいたく品のニーズが真っ先に減少したため、生産の多様化した中国の外部ニーズは全体としてそれほど大きく減少しなかった。投資商品を得意とするドイツの輸出は、より大きなニーズの減少に直面した。 こうしたことが基本的な要因となって、このたびの危機は全体として一部の先進的な製造業の生産能力の中国への移転プロセスを加速し、中国が輸出トップ国としての地位を固め、持続を可能にするための基礎を形作った。危機が価格競争を激化し、これまで先進国に集中していた先進的製造業が発展途上国への移転加速を余儀なくされた。中国はインフラ、関連産業、労働力の質・量、公共サービスなどの面で優れており、先進的製造業が発展途上国への移転をはかる場合の第一の候補先となっている。 バイヤーの購買力は製品を販売して得られる収入の多寡にかかっている。同じように、世界の市場システムにおいて、ある国の輸入力は輸出力によって決まるといえる。中国の輸出の伸びには、新たな市場と機会の提供という面もある。 貿易黒字と巨額の外貨準備の問題については、発展途上国が経済発展の過程で国際収支の危機に陥るリスクはかなり高いといえるし、経済が急速に成長し、発展の可能性が大きい発展途上国に国際収支の危機が発生する確率は、その他の発展途上国より高いともいえる。発展途上国は国際通貨システムの中で受け身の非中心的な立場にあり、資本の蓄積も不十分だからだ。また、その他の条件が変わらなければ、ある国の経済の成長ペースが高まれば高まるほど、資本や商品の輸入ニーズが急速に伸び、経常項目の収支状況が悪化するからだ。このため貿易黒字と巨額の外貨準備のリスクは、中国が他国に追いつき、追い越す過程で、支払わねばならない対価だといえる。こうした局面は避けようのない次善の選択だ。 中国の輸出の急速な伸びは、国際貿易紛争を増加させる。反ダンピングや反補助金などの措置の発動件数や金額をみると、中国は約10数年連続で世界の保護貿易主義の最大の被害者となっている。貿易紛争は中国の産業や輸出の伸びが世界平均を上回ることから起きており、中国経済の発展の反映だ。貿易紛争が輸出額に与える影響は中国の場合1%前後に過ぎない。紛争ゼロを望むのは現実的ではなく、紛争の解決プロセスの中で成長目標を現実に一層すりあわせることが重要だといえる。 「人民網日本語版」2010年1月11日 |
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