中国大陸部は貯蓄率がアジアで最も高い国だ。匯豊人寿保険有限公司が9日に発表したアジア地域の調査報告によると、大陸部の消費者は毎月、収入の45%を貯蓄に回しており、うち銀行預金が18%、株式・ファンドが13%、各種保険が7%、貯蓄型年金が7%を占めるという。
同調査は、アジアの主要7カ国・地域(中国、韓国、台湾地域、シンガポール、インド、香港地域、マレーシア)の消費者3563人を対象に、アンケート方式で行ったもの。
同公司の老建栄最高経営責任者(CEO)によると、長期的な貯蓄の目標についてたずねたところ、大陸部の回答者の65%が「家族がよりよい生活を送るため」と答えた。
香港の回答者の47%、韓国の57%、インドの56%は「退職後の生活保障のため」と回答し、マレーシアの79%、シンガポールの69%、台湾の47%は「いざというときの備え」と回答した。
注目すべき点として、大陸部の消費者が保有する主な資産管理ツールは、銀行預金(87%)、不動産(69%)、株式(66%)、医療保険(61%)であることが挙げられる。過去12カ月以内に、回答者の51%が銀行預金をし、35%が不動産投資を行い、45%が株式を買い増していた。
老CEOによると、この調査により、大陸部はアジアで最も貯蓄率の高い国だが、回答者の69%は自分の貯蓄はまだ十分でないとして、今後6カ月以内にさらに貯蓄を増やすことを考えていることがわかった。また59%が市場の投資ツールが不足しているため、思うように投資リターンが得られないと考えていることがわかった。
これについて、ある市場アナリストは次のように指摘する。金融危機の影響が徐々に薄らいできたことを受け、大陸部の人々は定着した貯蓄の習慣に従って、銀行預金、不動産、株式の保有量を増やし始めている。これと同時に、投資ツールに限界があること、インフレ観測が強まっていること、投資リターン率が低いことなどにより、消費者は現実には長期的な貯蓄に対して安心感を抱けないでいる。
「人民網日本語版」2010年3月10日