1人の意見が個人だけを代表するなら、数億という個人の関心事や希望からは個人を超えた集団意識や社会意識を発見することが出来る。
先に閉幕した全国両会(全国人民代表大会と政治協商会議)では経済と発展が注目の話題となった。2010年の中国経済はどこへ向かうのか?どういったキーワードが中国経済に重要な影響をもたらすのか?中国のネットユーザー3億人にもそれぞれ独自の見方があるようだ。
「中国経済週刊」は中国で90%近くのネットユーザーが利用している検索エンジン「百度(バイドゥ)」から2010年の中国経済のキーワードを探ってみた。毎日数億件にのぼる検索要求と膨大なネットユーザーの検索データバンクをまとめる、07年2月に設立された百度データ研究センターは毎月ホットな話題のほか、17業界(コンピュータ、携帯電話、自動車、不動産、化粧品、ネットゲーム、金融など)の各四半期の研究報告を発表している。その百度データ研究センターによると、2010年の中国経済のキーワードは低炭素経済、3、4級都市経済、万博、映画エンターテイメントの4つで表せるという。
キーワード1:低炭素経済
COP15(第 15回気候変動枠組条約締約国会議)が09年末にデンマークの首都で開催され、「低炭素経済」という言葉が中国でも知られるようになった。
百度のデータによると、低炭素経済に関する検索は09年初めに日平均検索数2000件未満だったのに年末には一気に10倍以上となる3万件近くに急増した。特にCOP15の開催中は低炭素経済に対する注目度がピークに達し、3万5000件以上にのぼった。2010年に入ると、低炭素経済の検索数は再び記録を更新し、6万件にたっしている。
ネットユーザーのキーワード検索では、低炭素生活をいかに送るかなどが主流を占めていた。このほか、低炭素株にも注目が集まった。
国務院の温家宝総理は今年の政府活動報告で、2010年は経済成長方式の転換と経済構造の調整に着手、その転換と調整に低炭素経済が一役買うと強調した。
「人民網日本語版」2010年3月23日