米国で29日発表された論説によると、給与水準の大幅な上昇により、中国大陸部はすでに廉価な商品を生産する製造拠点ではなくなった。米企業にとって、大陸部を廉価商品の生産拠点とみなす経営戦略はもはや有効でない。過去5年間に中国の製造業が集中する南東沿海地域では平均給与が50%以上上昇し、ある地域では上昇幅が累計120%を超えたという。
同論説は次のように述べる。
広東省東莞地域では、一般のライン生産方式で働く従業員の平均月収が1千元を超え(残業代、福利厚生手当を含む)、5年前の2倍に達した。技術者の月収は2千元を超え、5年前より30-40%増加した。
人口が多く豊かな浙江省嘉興市では、一般のライン生産に従事する従業員の平均月収は1800元に達し(残業代、福利厚生手当を含む)、5年前より120%増加した。技術者の月収は6千元を超え、5年前より約100%増加した。
給与レベルの上昇だけでなく、土地価格も5年前に比べて大幅に上昇している。天津市では工業用地の価格が、6年前の1平方メートルあたり75元未満から300-400元へと大幅に上昇した。
労働力コストと土地価格の大幅な上昇により、海外企業は中国での経営戦略を再考せざるを得なくなっており、今後も中国を廉価で低付加価値の商品を生産する製造拠点とみなすことはもはや適切ではない。合理的な利益水準を維持するため、海外の多国籍企業は中国の生業拠点をより低コストのベトナムやタイなどの東南アジア諸国に移転させるか、より高付加価値で技術含有量の高い商品の生産に転じるか、選択を迫られている。
非ハイテク型企業は製造拠点や組み立て拠点を大陸部に移転させる前に十分に考える必要がある。絶えず上昇する給与コストと土地価格により、予想していた利益が大幅に「圧縮」される可能性があるからだ。
「人民網日本語版」2010年3月31日