投資総額数千億元規模の中国南方地域の水を北方地域に送る「南水北調」の西ラインのプロジェクトがまだ始まっていない。このプロジェクトの工事開始は今年の予定だ。しかし国務院が正式に建設中止を発表するまでは、建設支持者と反対者の論争がやむことはないだろう。
南西地域で発生した100年ぶりの干ばつは、反対者に十分の反対理由を提供した。
中国水利水力発電科学研究院水力学所と環境研究センターのチーフエンジニアである劉樹坤氏は「今回の大干ばつの発生により、もう一度、干ばつの頻度と可能性などを判断する必要がある。そして水利の調整やプロジェクトの開始時期、規模、影響などを再度、見直さなければならない」と話す。
これに対し国務院「南水北調」建設委員会の張野副主任は「今年の南西部の干害は比較的特殊で短期的な現象であり、気象状況と関係がある」と、長期的にみれば「南水北調」は水資源の合理的な調達に役立つと考えている。
干ばつは偶然それとも必然?
2000年の第1四半期の価格水準で計算すると、「南水北調」の西ラインプロジェクトは第1期と第2期の投資額が1110億元で、90億立方メートルの水を調達する。第三期は1930億元。第1期プロジェクトは2010年前後にスタートする計画だった。
ところが南西地域を襲った干害は、偶然だか必然だかは分からないがこのプロジェクトの着工を左右することになる。