疑うまでもなく、いまや中国はぜいたく品天国である。2015年には中国の富裕世帯は440万戸を超えるという予測がある。ボストンのある調査会社は、2015年に中国のぜいたく品消費額は全世界の32%にのぼると予測し、中国が世界最大のぜいたく品市場となる可能性を指摘している。ならば、中国におけるぜいたく品消費の中核をなすのはどのような人々なのだろう。将来のぜいたく品消費の主力は一体どこにいるのか。
『中産階級』に関する争い
「この先30年の間に中国が、中産階級を中心とした欧米国家のようなオリーブ型社会構成となることはない。したがって、将来の中国において中産階級が世界のミドル・ローエンドぜいたく品ブランドの消費中核をなすこともありえない」。3月27日、中欧商学院にて開催された第二回トップブランド最高フォーラムの席上で、中国経済体制改革研究会副会長・上海福卡経済予測研究所所長の王徳培氏はこのように述べた。
王徳培氏の考えでは、ぜいたく品は価値と価格によって三つの等級に分けられる。市場価格一千万元以上のハイエンドぜいたく品、数百万元のミドルエンドぜいたく品、五十万元以下のローエンドぜいたく品である。周知の通り、かつては欧米国家の中産階級がブランドぜいたく品のお得意様であり、ミドル・ローエンドぜいたく品消費者の主流であった。しかし、金融危機の打撃を受け、いま一部の欧米中産階級は経済的窮地に陥っている。