グーグル撤退 百度が高みへ

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発信時間: 2010-04-30 20:59:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米グーグルの撤退により、中国の検索業界で長年続いてきた百度とグーグルの主導権争いに終止符が打たれた。グーグルは今年第1四半期にシェアがガクンと落ち、今回の騒動で漁夫の利を得たのは百度だった。同時に第2線の検索エンジンも虎視眈々とこの「ケーキ」を狙っている。

▽「王者」がさらに高みへ

グーグル撤退は百度をさらに高みへ押し上げることになった。百度が29日に発表した2010年3月31日までの会計監査前財務報告によると、百度の営業収益は09年同期比59.6%増の12億9400万元、営業利益は167.4%増の5億3080万元、純利益は165.3%増の4億8050万元だった。

グーグル撤退以降、百度の市場シェアは確実に拡大している。リサーチ会社・易観国際の統計によると、2010年度第1四半期の中国におけるグーグルのネット検索市場シェアは前期の35.6%から30.9%に落ち込んだ。一方の百度は市場シェアを58.4%から64%に拡大。他のライバルらも第1四半期はあまりふるわなかった。

このため、グーグル撤退の最大の受益者は百度だとアナリストは指摘し、グーグルが中国から撤退後、広告の出先を失った中小ウェブサイトはすべて百度に吸収され、残りの市場の空白もすぐに占拠されると予測する。

▽「挑戦者」はまだまだ努力を

易観国際は、今年は中国の検索エンジンの市場規模は100億元を突破し、前年比40%を上回ると予測する。これほど大きな検索市場を前に、第2線の検索エンジンはいろいろな画策を企てている。

この大戦の最中、捜狐(Sohu)の張朝陽CEOは、検索エンジンは捜狐のポータルサイトやインターネットにとって重要だとし、「捜狐は諦めない。グーグル撤退以降、検索エンジン『捜狗(Sougou)』に力を入れている」と検索エンジンの重要性を語った。この「ケーキ」を狙っているのは捜狐だけではない。騰訊(テンセント)は検索サービスに4億元以上投資し、将来的な戦略の重点と位置付けている。網易(NetEase)の検索サービス「有道(Youdao)」も必死に後を追いかけ、ここのところ頻繁に行動を起こしている。外国勢ではマイクロソフトの「必応(Bing)」検索も挑戦を始めた。

通信関係に詳しい項立剛氏は「国際金融報」の記者に対し、百度の「一社独占」はそう長くは続かないと語る。しかし、百度の手中から市場を奪うのもそう簡単ではない。「他のライバルたちが百度に挑戦するには、まだ長い時間をかけて膨大な投入を積み重ねていく必要がある」という。

リサーチ会社DCCIインターネットデータセンターの胡延平主任は、2010年の中国の検索市場は「二極争い」から「一老」「三強」「一新」「一退」に変わると指摘する。「一老」は百度、「三強」は騰訊と捜狗と阿里系、「一新」はまだお目見えしていない大手検索、「一退」はグーグルのこと。百度は強敵に囲まれ、益々プレッシャーがかかるが、この5年は中国語検索に限っていうと、やはり百度がリードしていくことに変わりはない。

「人民網日本語版」2010年4月30日

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