香港特区政府統計処の発表によると、アジア貿易の急速な回復や世界貿易の持続的な正常化というプラスの影響を受け、3月期の香港の商品輸出額は前年同期比32.1%増、輸入額は同39.8%増と、ともに力強い伸びを示した。
3月期の香港の輸出額は2318億香港ドル、輸入額は2706億香港ドルとなった。商品輸出はほぼ08年の世界金融危機前の水準にまで回復した。短期的には、香港の貿易は引き続き世界経済回復の恩恵を受けるだろう。08年3月期の、中継貿易と一般貿易を合計した商品輸出の総額は2225億香港ドルだった。
香港特区政府貿易発展局のアシスタント・チーフエコノミスト、潘永才氏は「世界経済は09年下半期から回復し始め、2010年に入るとさらに状況が改善した。巨額の政策支援などにより、世界的な景気後退の煽りを食った経済体の多くが回復を始めており、かつその兆しは日増しに明らかになっている。低金利が続く中、流動資本の余裕は引き続き経済システムの資産価格の高値維持を支え、さらに一部市場の消費および企業の景況感の改善を促進する」と指摘する。
海外需要の回復幅が予想よりも大きく、香港の輸出は今年第1四半期、26%増と力強く伸びた。増加の主力となったのは40%増を示した大陸部向けだ。海外需要の力強い伸びに刺激され、2月期の香港の輸出総額は28.5%増加、3月期の商品輸出総額は2318億香港ドルで前年同月比39.8%増となった。輸入は2月期に22.4%増加、3月期の商品輸入は2706億ドルで前年同月比39.8%増となった。第1四半期の商品輸出総額は前年同期比26%増加、商品入出額は34.3%増加。09年第4四半期と比べると商品輸出総額は10%増加、有形貿易は商品輸入額の12.2%に相当する882億香港ドルの赤字となった。
3月期に商品輸出入が大幅に伸びたとはいえ、特区政府は「米国・EU市場の経済基盤は依然脆弱で、引き続き注視する必要がある。現在香港を取り巻く市場はすでに回復の兆しを呈しているとはいえ、先行きはまだ不透明で、世界経済はまだ揺れ動いている」としている。潘氏は「今年の世界貿易のパフォーマンスは予想よりも良く、香港の年間の輸出成長率も予測を上回る見込みがある」と指摘する。
「人民網日本語版」2010年5月13日