政府の公用車と言えば、多くの人がアウディやパサート、ビュイック、サンタナなどを思い浮かべるだろう。確かに、街中を走る公用車の多くがこれらのブランドだ。政府の公用車調達先リストには数十ブランドが登録されているのに、これらのブランドが特に人気を集めるのはなぜだろうか。その背後にはどういったいきさつや消費文化があるのか。今年、浙江省が新たな政府の公用車調達を開始するのに伴い、記者が探ってみた。
5大ブランドがシェアの半分を占める
浙江省財政庁調達監督管理所の統計によると、2008年に浙江省が調達した乗用車は5202台で、そのほとんどが排気量1.4-2.0Lと2.0-3.0Lの乗用車だった。うち、排気量1.4-2.0Lは3280台で総額5億4000万元、排気量2.0-3.0Lは1837台で総額4億4000万元だった。
これほど多い調達台数と金額の中で、サンタナ、パサート、トヨタ、ビュイック、アコードなど5ブランドは半分以上を占め、販売台数は3384台で全体の65%を占めている。うち、上海大衆(VW)傘下のサンタナとパサートの販売台数はもっとも多く、それぞれ986台と793台だった。
政府の公用車調達先リストが実施されて何年も経つが、少数のブランドがシェアの半分を占めているのはなぜか。
自動車調達の評価を行う専門家は、「これらの車種は規定の排気量の中で価格、性能、外観など様々な面に優れているのに加え、消費習慣や群集心理により、政府の調達先として長い間人気がある」と話す。
マーケティングの専門家で、奇正沐古国際諮問機構の会長である孔繁任氏は次のように見ている。公用車は少なくとも3つの基準を満たしていなければならない。まず一般に普及し、普遍的過ぎてもならず、豪華で高級の代表であってはならないこと。次に合弁生産であること。3つ目に程よい価格であること。これは公用車のイメージを考慮したためで、一般に受け入れられるよう大げさで豪華すぎてはならない。合弁企業を選ぶのは質が信頼できるからだ。また、程よい価格というのは、メンテナンスコストや便利さを考えたためだ。孔繁任氏は、車種、ブランド、排気量というこれらの要素を総合し、最終的に認められた公用車は数ブランドに集中したと話す。
サンタナ、パサート、トヨタにしても、ビュイックやアコードにしても、自身の位置づけと製品特徴を見れば、政府の調達において売れ行きがよい理由がわかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月19日