▽ビザの行為に2つの目的 専門家
ビザがこうした行動を取った原因について、ビザ自身は取引リスクの予防であり、カード所有者に安全で頼れる保障を提供するためだとしている。鐘主任はこうした説明を否定し、次のように分析する。ビザの今回の行為には少なくとも2つの目的がある。一つは上場企業として、絶えず新たな収入源を追求するというせっぱ詰まった状況にあることだ。特に金融危機を背景として、アジア・太平洋市場を、特に中国市場をますます重視するようになっており、中国のカード所有者を通じて収益の増加をはかろうとしているということだ。もう一つは銀聯の海外での拡大を抑制するということだ。銀聯は新興のカード機関として、中国経済の勃興とともに発展してきた。ここ数年は国内・海外で急速な発展を遂げ、客観的にみて世界のクレジットカード市場におけるビザの独占的地位や長期的な利益を脅かす潜在的脅威となっている。
鐘主任によると、提携カードには銀聯マークとビザマークが並んで入っており、純粋な単一ブランドのクレジットカードではないし、双方に等しく権利がある。カード所有者とカード発行銀行の利益に干渉したり、カードの人民元建て決済口座の監督管理要求を打ち出したりする場合、ビザは自身の運営ルールを一方的に適用して、国境を越えた取引でビザの決済ルートを必ず利用することを要求してはならない。ビザの行為は実質的に、自身の利益を中国の法律法規、カード所有者、カード発行銀行の利益より上位に置くものだといえる。
「人民網日本語版」2010年6月7日