日本の菅直人首相は週末にカナダのトロントで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合に出席した。首相就任以来初めての国際舞台であるだけに、日本では大いに注目が集まった。06年以降、日本では毎年首相が交代。鳩山政権はたった8カ月で終焉を迎え、国際舞台で「リーダーシップ」を発揮するどころか、各国首脳と顔なじみになることさえできなかった。これは菅首相にとってあまり恵まれた状況とはいえず、発言力の低下が懸念された。経済参考報が伝えた。
G20首脳会合でもうひとつ日本にとって不利だったのは、今会合のテーマのひとつがギリシャの債務危機が世界経済に与える影響についてで、日本の国債問題にも絡んでくることだったことだ。菅直人首相は21日、日本銀行の白川方明総裁と会談し、日本側のG20首脳会合における立場を話し合った。これが日本のギリシャの債務危機に対する基本的な見方を代表するものになったといえる。
問題は、日本もGDPの189%に相当する883兆円という膨大な国家債務を抱えていることだ。これはギリシャの115%を大きく上回る。国際通貨基金(IMF)は、2015年までに日本の国家的債務はGDPの250%に達すると予測する。日本の国債の95%は国内の金融機関が保有しているため、国債の70%を外国が保有していたギリシャのように主権債務危機にはならないが、国際的に日本にすでにある程度の信用危機が現れているのは確かだ。今年初め、日本のソブリン信用格付けは下がり、日本政府の債務リスクが国際市場の視線に入るようになった。2010年1月26日に日本国債の信用格付けが再び下がる前の同月国際社会の日本経済に対する信頼を回復しようと、菅首相は今回2つの重要な武器を用意した。そのひとつが「新成長戦略」で、主に環境エネルギー、健康、アジア経済、観光、科学技術情報、人材、金融の7分野で123兆円の市場と500万人の雇用を生み出し、2020年までに名目GDPを3%、実質GDPを2%に押し上げるというもの。もうひとつは「財政運営戦略」で、2015年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を半減し、2020年までに黒字にするというものだ。
ところがこの2つの武器には欠点がある。日本のメディアは、新成長戦略の一部の内容には問題があると疑問を抱く。例えば、外国人患者を対象にした医療ビザの創設で毎年200万人の受け入れを目指すとしているが、日本の病院は現在医師や看護士不足が深刻で、外国人患者を受け入れる力などない。財政運営戦略にも難題がある。現在のままでは消費税を10%に引き上げ、2015年には財政赤字が半減したとしてもあと5兆円の赤字が残る。しかも消費税引き上げはまだ議論の段階だ。
それでも言っておく必要があるのは、日本は米国のように人民元値上げ圧力を掛けてこないことだ。その理由は中国が日本最大の貿易相手国であり、中日の貿易は相対的にバランスが取れているからだ。人民元の値上げは日本にとって良し悪しで、輸出を拡大できる一方、日本企業の中国での原料調達コストや中国に進出している日本企業の労働コストを引き上げることにもつながる。このため、中国が人民元為替レートの弾力性を強めるとの発表すると、日本はこれを歓迎した。日本は一貫して中国の自主決定を尊重する立場をとっている。日本は一部の重大な問題おいて西側諸国側には立たず、少し距離を置いている。人民元の値上げ圧力の問題にしても同じことがいえる。
「人民網日本語版」2010年6月28日