国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン専務理事は現地時間の28日、人民元の継続的な値上がりは中国の利益に適っているが、中米貿易のアンバランスを解決する万能薬ではないとの見解を示した。そして、IMFの特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットに一刻も早く人民元を加えるべきだとし、人民元の為替レートは市場の自由な決定にゆだねるべきだと指摘した。国際金融報が伝えた。
ストロスカーン専務理事は記者会見で、中国経済の急成長に伴い、人民元をSDRに加える動きがあると言及しつつも、人民元の為替レートが本当の意味で市場価格によって決まり、自由変動を実現するまで、SDRに組み入れられるのは難しいとした。このプロセスはいたって短く、時間の経過と共に様々な理由によって他の通貨がSDRに加えられ、人民元がその皮切りになると期待を示した。
中国、ロシア、ブラジルとIMFは現在、SDRの幅広い使用と普及を希望している。SDRはIMFが加盟国に分配する資金運用の権利で、ドル、ユーロ、円、ポンドなどで構成される一種の国家準備資産。