負債を抱えるギリシャとイタリアの両政府は相次いで「国家資産売却」を宣言。資金を集めて多額の国債償還に備える。所有する島、山脈、砂浜、宮殿、別荘はそれぞれ買い手がつくのを待っている状態だ。これまでに明らかになった販売予定資産の中で、最も安いもので200万ユーロ、最も高いものでは8000万ユーロになるという。
イタリア
30億ポンドを超える売却予定額
イタリアの債務は1.18万億ポンドにも達しているという。イギリスメディアは5日、今回の売却は7月末に行われ、売却対象となるものは、ビル、宮殿、砂浜、島、城等を含む9000資産、その総価値は30億ポンドにもなることを伝えた。
歴史的都市ローマでも多くの名所旧跡が売却対象になっており、その中にはヴィラ・ジュリア国立博物館も含まれている。また、パレルモでは900年の歴史を持つノルマン時代の宮殿も売却されてしまう。ここは、古代シシリー王が暮らした場所である。
これら歴史的建造物のほかにも、イアリア政府は優美な景色を持つ山や砂浜を売却する。中でも、イタリアとオーストリアの国境に位置するドロミティ山脈は静かな環境の中で雄大な景色を楽しめ、安らぎを求める富豪たちにはうってつけの物件と言える。
また、最も高価で最も景色の美しい資産といえば、サルデーニャ島東北の海岸付近に位置するマダレナ諸島のカプレラ島である。カプレラ島は、45マイルもの長い海岸線を持ち、周りは全て澄みきった青い海に囲まれ、世界各地からのダイバーたちにとっての楽園となっている。この島の「住居者」は主にヤギで、ここで長期的に生活する人はほとんどない。