中国による日本国債購入、5月分がまたも史上最高額更新
日本の財務省が公表した最新の統計によると、中国が5月に新規購入した日本国債は7352億円で、史上最高額をまたも更新した。この数字は今年1月から4月までの合計(5410億円)をも上回っている。そしてこの四カ月の間の購入額も、2005年通年の購入額の二倍以上の数字なのである。ヨーロッパ発の債務危機が最も厳しかったこの5月に中国は以前にも増して日本国債の購入に注力し、今年5カ月で日本国債の新規購入は1兆2700億円を超える規模となった。
時事問題評論家の時寒氷氏は『21世紀経済報道』誌で発表した記事の中で、この額が中国の購入した日本国債の全てを表すわけではないと指摘する。
日本公表の数字は取引発生国のみを考慮したものだからということだが、これについてはイギリスの『フィナンシャル・タイムズ』が次のような例を挙げて説明している。もしも中国の投資家がロンドンの某ブローカーを介して日本国債を買ったなら、その取引はイギリス名義として記録される。イギリス人が中国のルートを利用して日本国債を購入するケースは少ないため、中国による日本国債購入額は先の数字よりもさらに大きい可能性が高いのである。
同記事では、日本国債の危険性はアメリカやヨーロッパの国債のそれよりも遥かに大きいとされており、「世界の先進国の中で最も危険だ」とまで酷評されている。
日本の債務はいわゆる巨大な弾薬庫であり、状況はヨーロッパの国々よりも深刻である。政府負債はGDPの60%以下が安全の目安だと国際的には考えられているが、IMFやS&P、スタンダードチャータード銀行の統計によると、現在日本政府の負債はGDPの214.3%に達しており、ギリシャの120%を優に超えている。国債公認の安全ラインを二倍以上超えているのである。実際、S&Pによる日本国債の格付けは今年1月に引き下げられている。