北京市交通発展研究センターが23日に開催した専門討論会で、重い負担にあえぐ同市の交通事情を示すデータが次々に発表された。たとえば▽同市の交通量全体のうち、小型車での5キロ以下の短距離走行が占める割合は44%に達する▽2015年には市内の自動車保有台数は700万台に達して、道路網の最大容量を大幅に上回る見込み▽制限を設けず、指導も行わなければ、5年後には平均車速が時速15キロメートルに低下し、渋滞指数が9.5を超える、といったデータなどだ。データの通りであれば、2015年の平均車速はこれまでの北京市で最も渋滞がひどかった日の平均車速をも下回ることになる。「北京晨報」が伝えた。
▽自動車は5年後に飽和状態
同センターの郭継孚主任によれば、現在の北京の道路網は規模の最大化が実現しておらず、これが実現し、走行制限措置が引き続き実施されれば、受け入れ可能な市内の自動車保有台数は約670万台となる。制限措置が行われなければ550万台だ。今年上半期、保有台数は一日あたり1900台ずつ増加しており、このペースが続けば、2015年の保有台数は700万台を超えて、道路網の最大容量を大幅に上回ることになる。
同市の自動車の急増ぶりは、次のような比較データからもうかがえる。自動車保有台数が300万台から400万台に増えるのに、北京ではわずか2年7カ月しかかからなかったが、東京では12年もかかっている。
▽5年後の平均車速は15キロ
現在の渋滞状況は多くの人の許容限度を超えているが、ある専門家の予測によれば、自動車の使用に対する制限措置や指導措置が取られなければ、2015年には市内の平均車速は時速15キロメートルを下回り、渋滞指数は9.5を超えて、北京の道路網の渋滞はさらにひどくなるという。
郭主任は次のような例を挙げた。現在の同市の交通データに基づくと、これまでに観測された平均車速が最も遅い日は2009年7月13日で、この日は一日中強い雨が降ったこともあり、平均車速が時速16.3キロメートルにとどまった。つまり、2015年の平均車速は、これまでの北京市で最も渋滞がひどかった日の平均車速をも下回るということだ。
▽走行距離は東京の2倍
北京の自動車事情には、急速な増加や高い密集度のほか、世界で最も「多忙」だという特徴がある。同センターは北京の自動車事情には、「三高」すなわち高い成長ペース、高いレベルでの使用状況、高い密集度という特徴があるとしている。
ある専門家は、統計によれば、北京の小型自動車の年間平均走行距離は1万5千キロメートルに上り、ロンドンの1.5倍、東京の約2倍に達し、ロサンゼルスや香港などの大都市も上回るという。
自動車保有の分布状況をみると、世界の各都市では「中心部で保有率が低く、周辺部で高い」という特徴がみられるが、北京はこれと反対に、約430万台の保有台数のうち80%以上が六環路以内の都市部地域に集中している。最も中心部にある東城区と西城区の小型自動車保有率は、パリの類似エリアの1.8倍、ニューヨークの同エリアの2.3倍に達する。