国家外匯管理局はこのほど、「一部地域における輸出収入の海外保有政策の試験的実施に関する通知」を出し、2010年10月1日から、北京市、広東省(深セン市を含む)、山東省(青島市を含む)、江蘇省の4省(市)で、企業が得た輸出収入の海外での保有を認める政策を試験的に実施することを明らかにした。試行期間は1年間。国内企業の資金の利用効率を高め、貿易の利便化を促進するための措置だ。「人民日報」海外版が伝えた。
今回試行される政策の主な内容は次の通り。
(1)外匯局は企業の資質に対する厳格な審査に基づいて、国内企業の海外での口座開設を許可する。海外で開設された口座は、国内企業の正当で合法的な取引で得た輸出収入の管理、貨物貿易と一部のサービス貿易における対外的な支出、同局の認可を受けた、あるいは登録済みの資本項目における対外的な支出に利用される。
(2)外匯局は国内企業が海外で保有する資金の総量について、規模の管理を行う。
(3)輸出入の支出許可審査、物流ネットワークの審査といった業務の操作を簡便化し、企業と銀行の事後報告制度を実施する。
(4)外匯局は国内企業の海外口座の収支について非現場でのモニタリングを実施し、異常な状況がみられれば現場での調査を行う。
同局の責任者によると、今回の政策の試行は、国際収支の調整手段を一層多様化するとともに、国内企業の資金操作の利便化をはかるもので、対外貿易収支が多い企業にとっては、外貨資金の国境を越えた振り替えにかかる経費や外貨両替のコストを削減するのにプラスになる。また国際市場への参入度が高く、集団化された管理能力の高い企業にとっては、資金の利用効率の向上、海外での資金調達コストの引き下げ、国際競争力の一層の強化などを促進するのにつながるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2010年8月30日