▽日本経済新聞社・喜多恒雄社長--戦略的互恵関係と絶好のチャンス
上海世界博覧会(上海万博)が今年中国で開催された。これは、中国が初めて開催する万博であり、このような記念すべきタイミングに討論会を開催できたことは、光栄この上ない。
世界経済は今、先行き不透明な新たな発展段階に入った。経済が安定して成長する道はまだはっきり見えず、市場をみると、二番底に対する心配は拭いきれない。
世界金融危機の後、中国は世界経済を推進する巨大なエンジンとなり、世界第2の経済体となった。絶え間ない発展とともに、環境問題が極めて重要な課題となっている。中国の金融政策の方向性に、世界中の関心が集まっている。輸出依存型の経済成長からいかに脱却するかは、日中両国がともに直面している課題だ。
原子力発電技術や環境技術の分野で、日本企業の持つ国際競争力は極めて高い。また、消費増や技術革新の面での安定した発展は、今後日中両国が協力していく中で大きな分野となっている。
このような状況のもとで、今回の討論会が、単なる両国の経済交流の話題にとどまらず、世界経済の安定的成長に貢献するために日中が協力できることを議題としたことは、極めて時機を得たものといえよう。
両国は、中日の戦略的互恵関係の方向に沿って、両国関係の安定した発展のための好機を逃さず、さらなる経済協力を進めていく必要がある。
「人民網日本語版」2010年9月8日